2024-05-29

焼肉店

   開店は夕方で、時間と場所から営業時間にはあまり縁がなく、それでも数度、夜にこのお店の前を通ったことがあって、香ってくる焼けるタレの匂いなどはけっこう上質な印象だった。 路地にある小さなお店だけど、タレや焼豚やカルビ・クッパ用の辛味噌などは手作りではないだろうか? と想像が及ぶ。
   もう5年も前になってしまったニューヨークの散策。 泊まったホテルのすぐ脇は韓国人街で、一度くらいは焼肉やクッパやビビンパを食べてっみても良かったかなと、ずいぶんと後になって思った。 この時は中華街にも縁がなかった。 結局、街にはイタリア系の人も多いのか、処々で見かけるピザ屋の1つに入ってみたり、駅の売店をひと通り眺めてみたり、公園の売店でパンに何か挟まったいまいち国籍不明なものなどを食べていた。 残念だったのは、コニー・アイランドのルナ・パーク脇の老舗ホット・ドッグ屋「ネイスン」(Nathan's Famous Hot Dogs & Restaurants)が閉まっていたこと。 そういえば10年前のシカゴも、時間切れでシカゴ・ピザのお店に行けなかったっけ。 旅先では、時間に限りのあるのと、帰って振り返ってみて違ったものが見えてくることもあるし、後で思うのも後悔という程のものはさほどなく、まぁそういうものかと懐かしむ程度。 後悔といえば、ある旅でその日、カメラを掃除する「ブロアー」を持って出なかった日のこと。 途中で大きめのゴミが画像に映り込み始め、それを吹き飛ばす手段として、ブロアーを取りに往復約1時間かけてホテルに戻って時間をロスしたことと、荷物を出してくれた係のお兄さんにチップを渡し忘れてしまったこと。
   さて戻って焼肉店。 以前は大きな縦長で装飾の若干派手な看板を掲げていたこのお店。 その老朽化のためか数年前に看板を外してしまった。 看板の見た目からも老舗感が漂っていたしこの界隈ではシンボリックな存在だった。 もしかしてと、そう遠くなく店仕舞いの可能性もあるような予感もし、諸々思った流れで一回行ってみようかと。