2019-09-25

秋蒔き


   現像時に「露光」のスライダーを「+」方向へ振って行った。 元々が真ん中あたりが盛り上がる素直なヒストグラムだったが、ハイライトの警告が点く手前までは思いのほか粘った。 もともとは旧い時代の設計である C-Sonnar 1.5/50 ZM だが、現代的な再設計と材料のためか、個性的な面と使いやすい汎用的な面とが同居している。 特徴的なのはロー・キーの色の濃さ、ハイ・キーの軽やかさ、コントラストの面白さ、なにげなシャープ感。 焦点移動があるので、レンジ・ファインダーで使う場合にはちょっとコツが要る。

2019-09-20

3年ぶりに清里


   Robert Frank展へ。 奇しくも氏のご逝去の約10日後に写真の数々と向き合う機会。 展示のテーマは「もう一度、写真の話をしないか。」だった。 どの写真も、極めてストレートに撮られているという印象だった。 街のなかの写真は、言ってみれば誰もが目にしている日常の景色をただ切り取るだけなのだが、その「切り取る」目線とタイミングで、全く違ったストーリーがそこに現れる。 気づいたときには、「写真ってなんだろう?」と自問せざるを得ない状況に陥っていた。

2019-09-16

今日もこの町に寄り道


   もうすぐ秋の彼岸。 昼と夜の日の長さがほぼ同じになると言われる頃。 もう18時でずいぶん暗い。 夕方の散歩は春分から秋分までって感じだなぁと思いながら、買い物がてら町をふらり。

2019-09-11

雷雨のあとで


   急な雷雨。 久々の感触。 悪くない。 でも、来そうでなかなか来ない秋。 日の入りは18時を切っている。

2019-09-10

平原


   もとは国有地だったように記憶している。 フェンスがあって、一部はコンクリート塀で、木と草と、数本の煙突があった場所。 近年は、整地され、建物が立ち、ここは原っぱのまま数年が経ち、先月に「マンション建設予定地」の大きな看板が立てられた。 今日は、昨日の台風の影響でかその看板は倒れていて、また、只、平原の様相だった。

2019-09-08

台風前の遊飛行


   この1枚、普段ならカメラの画面を見て「NG」と判断しそうなオーバー露出だったが、思っていたよりも程よく収まった。 そこはさすがにSummicron。 そして意外なほどハイライトで粘ってくれたM8のCCDセンサーに感心。 「アンダー気味」ばかりが「アタリ」の定石ではないのだなぁ。

   台風15号がまっすぐにやってくる。 今日の午後から雨風が強まり、明日の未明まで暴風圏内との予報。
   午前、街なかを歩くと、「英会話・タイプライター」と看板を掲げる古い建物のディスプレイ・ウィンドウには、やや錆色のタイプライターと松ボックリの横に「ウヨシユウギョク」と書かれた札が置かれ、バレーボール位のサボテンの頂上に淡い黄色い花が咲いていた。 信号を渡って進むと、いつもは難しそうな表情のお茶屋の店主に声をかけられ、「ほら、トンボがたくさんいるんだよ。」、「秋だトンボだって、そんなの何処にいるんだ? と思ってたけど、はじめてだぁ、こんなの。」と、童心そのもののような笑顔をしていた。 その足元には、ピンクのユリ科の小ぶりな花がプランターに8輪ほどが満開で、うち1輪に、黄色い花粉とコントラストを成すように青い羽虫が止まった。 路地では、まもなく咲き終わりそうな濃いピンクのサルスベリが、地面に花びらを敷き始めていた。 小さな昔ながらの洋食屋さんの店先ではオレンジ色の八重咲きのバラが目を引いた。 カラスアゲハは路地の水たまりで水を飲み、羽根は少しボロボロだが踊るように羽ばたいていた。
   今日は「白露」。 秋らしい空気が景色を浮き立たせる頃。 今日・明日の台風が去ると、次の季節の色彩が濃くなるように思う。
   花や虫にとって、「今日」はどんな風に映っているのだろう。