喫茶店への階段
10年ほど前か、Carl Zeiss T* Sonnar 1.5/50mm ZMを手にして最初の試し撮りで歩み入った路地に見えた喫茶店。 その時はもう夕方で薄暗く、開放値 F1.5というレンズの明るさに任せて撮り歩いていた。 小雨が降ってきて足早に撮り歩き、そのなかで気になったのが、黒いペンキが剥がれかけていて枠がブリキで作られていると思われる、マリリン・モンローの顔が新聞の写真のような粗いアミテンで印刷されたこのお店の看板だった。 以後、何度かランチで訪れていて、鉄製の窓枠は錆びて一部ボロボロ、木枠もやや不安。 居心地は良いのだけど、その窓側の席に居る間は「地震が来ませんように」とつい思ってしまう。 急な階段を上がって2Fが喫茶店、3Fがバー、1Fは小さなレストランだったが既に閉店して白い鉄板の壁で囲われていた。 この周辺の景色も、建物の建て替えが進んでいるのだろう、久々に歩いて「スッキリした感じがする」と思った。 「ここ撮ってあったかなぁ」と思いながらの街歩き。