2024-01-06

E100

   Kodakのリバーサル・フィルム 「E100」。 1997年頃の発売だっただろうか。
   E100は2012年に販売終了になり、いま手に入るE100は、2018年に製造を再開してからのもの。
   2010年頃までは36枚撮り1本が1,080円ほどだった記憶 (Ektachrome 64 Professionalなどは750円前後)。 再発売された以降では、2019年頃に2,100円ほど、2022年頃に2,800円ほど、今はなんと4,300円ほどする。 E100だけでなく白黒もカラー・ネガも、全てのフィルムが高価。 そしてリバーサルの現像には約1ヶ月を要する。 フィルム最盛期には考えられない価格で、現像も当時は「中1日」で仕上がっていた。 「フィルムの価格は今が「高い」というよりも、フィルム最盛期が「安かった」という事だろう」という意見があり、これにはなるほどと思う今。

   Kodakには「Kodachrome」と「Ektachrome」の2種類のカラー・リバーサル・フィルムがあった。 内、Ektachromeは「内式リバーサル・フィルム」と呼ばれ、フィルムに塗布された感材に発色する材料が含まれる。 Ektachrome 64 Professional、Ektachrome 64T rofessional、Ektachrome 100 Professional、Ektachrome 100 PLUS Professional 等々、多くの写真屋さんで普通に店頭に置かれていた。 Ektachrome 64は1976年発売だそう。 1980年代からはフジ・フィルムが大躍進し、FUJICHROME 100 Professionalが市場を席捲。 これに対抗すべく、1986年だったかに発売されたのがEktachrome 100 PLUS Professionalで、濃い目ながら抜けがよく、アンダー気味の露光ではしっかりEktachromeらしい渋さも持ち合わせていた。 これらの定番に加えて発売されたのが Ektachrome E100、E100VSだった。 スッキリした絵作りで発色も良く使い勝手の良いフィルムだった。 「VS」は暖色に寄った発色をする変わり種。
   EPR (Ektachrome 64 Professional)、EPN (Ektachrome 100 Professional)、EPP (Ektachrome 100 PLUS Professional)はよく使っていた覚えがある。 「よく」と言っても趣味での事なので、必要に応じて1本ずつの購入。 フジのRDP (FUJICHROME 100 Professional)もよく使ったが、Kodakを選ぶ方が多かったように思う。 そうして今でも現像済みフィルムは保管されていて、一部はビネガー・シンドロームの心配が出始めている。 それらを光に透かして見てゆくと、EPR、EPY、EPN、EPPに比べて、E100、E100VSは褪色しているものや、画面中に金属樹のような斑点があるものがちらほら。 保存性では旧来のEktachromeの方が良いように見える。 フジのRDP、RDP II、RVP、RAPはどれも問題ない。
   新たにフィルムで撮影したいと思い。 早くフィルム・スキャンニングを実行しないとと思う。