2026-09-28

「砂糖を焦がしたような香り」

   ずっと、秋の桂の葉の香りを気にしたことがなかった。 昨年のいま頃、山梨へ行ったときに「砂糖を焦がしたような香り」がすると聞いて「へぇ」と思い。 それを写真美術館の学芸員さんとペンションのママさんからお聞きして、それからの1年、気になって仕方がなかった。 公園へ行って桂の木を見て、春から真夏から、秋の紅葉の時期が待ち遠しかった。 そして今日、ようやく「あ、この香りか」とそれらしい香りに遭遇した。 桂の葉はよく写真に撮ってはいたけれど、秋のその香りには無頓着だった。 ホントに砂糖を焦がしたような香り。 木の周辺に、今日は1本だけ濃い甘い香りがしていた。
   ほぼ1年前、山梨の写真美術館を訪れ、久々にペンションに泊まり、写真と八ヶ岳とドライブ三昧の2日を過ごした。 思い返すとつい先週のような、1ヶ月ほど前のような、遥か何年も前のような不思議な記憶。 八ヶ岳の中腹になるのだろうか、30年弱前に住み込みの仕事をしていた印象深く思い出深い地。 30年は長いけれど、思い返すと案外リアルに記憶が蘇ってくる。その写真美術館は移転のためにそのあと程なくして閉館したが、いまは新たな開館に向けて例年の行事も行いつつ準備中。
   昨年にオジャマした時には、たまたま20時から飯沢耕太郎先生による展示写真の解説のWEB中継が行われていて、ペンションの夕食の時間の関係でアタマしか居られなかったのだけど、中継の緊張感やら30年分の思いやらが混じって感慨深い時を過ごした。