2025-07-22

時々の路地

   あまり馴染みのない渋谷の街。 百軒店(ひゃっけんだな)と呼ばれるこの辺りは、前にライカ M8を購入した頃に撮りに来た場所で、今とは少し雰囲気も異なり、その時は閉店する古いバーが目だった印象。 まだ昭和風の外観の小さなバーだった建物がぽつぽつ残存していて、ちょうど新たな風景へと入れ替わる手前の風景だった。 それでも路地の奥はあまり変わりなく、少しずつの変化を重ねる街から逃れるように、一息つくために路地へ足が向く。
   こう撮ってみると、かつてのM8のCCDセンサーと、妙に相性のよかったフォクトレンダーのColor-Skopar 35mm F2.5 Type-Cの47mm相当の画角で撮れる画の、素朴で、意外と諧調の豊かな雰囲気が懐かしく思い出される。 M8を使っている頃はCCDでもC-MOSでも大差ないように思っていたが、後になってその発色の落ち着いた感じが独特で、CCDが製造されなくなった今、貴重なものだったかもと思う。