2025-04-22

物干し台

   季節が進んだためかトタンの塀の中の庭先に陽が射し込んでいた。 風が強くて、やはり青く波打つトタンの扉が開いたり閉まったり。 時々陽の当たった古いアパートの壁が白っぽく光って見えたり、2階への階段が裏側から見えたり、細い路地への圧迫感が途切れたり、いつもの、でも少しだけ見慣れない風景。 物干し台が見えるのは元々扉もなく壁が途切れて開いているのだけど、今日は見慣れない風景につられて壁に寄って行って、より物干し台のよく見える処へ移動。 物干し台、それも錆び加減からは、緑色の樹脂でコーティングされる以前の昭和40、50年代から使われていそうな年代物が、かつては鉄筋コンクリートの多階層ではなく木造の住宅が並んでいた時代を思わせたりで、なんだか懐かしい雰囲気の佇まい。 それこそ昭和40年代のものだと思うが祖父お手製の物干し台が思い出され、物干し台は案外「原風景」の1つ。