2024-03-23

フキノトウ

   芽が出てから10日ほど経ったくらいだろうか、花が咲いている状態で、よく通る蕎麦屋の脇に置かれた水鉢にあった。 この感じ、花が咲き終わるとたしか綿帽子になって種を飛ばしたような... とするとキク科? 葉っぱを見る限りはその雰囲気はないし、キクのような香りもしないし、はて? と、調べたら「キク科フキ属の多年草」と。
   前にも書いた気がするが、フキノトウ饅頭というのをその昔に祖母が作ってくれた事がある。 「苦いよ」と言われてはいたが、食べたら想像と違った苦さでふた口・三口でギブ・アップ。 苦いというか渋いというか独特の苦味。 でも1年か2年か経った頃にまた食べてみたくなった。 皮はほんのり甘さがあって、苦いフキノトウが入っていて、蒸して重曹で膨らんだ田舎の家庭料理というか、おやつという感じ。 月日が経って食べたフキノトウは案外美味しかった。 キク科はどうも腎臓に良い作用があるらしく、思えば小さい頃からキクの花やヨモギの濃い草餅、春菊等々、その手の香りの強いものを好んだ気がする。 関係するもので思い当たるのは眼の疲れ。 眼の疲れは肝臓に影響し、人によるらしいが、これが腎臓に助けを求め、それが今度は心肺の働きに繋がるらしい。 よく聞く「補腎」がこの場合の疲労回復の1つの鍵のようで、キク科の植物はその役割をするらしく、どうも不思議とそうした食べ物を求めていたっぽい。
   「この手」の香りで印象的なのは、アメリカ西部の礫砂漠に生える「セージ・ブラシ」。 高さ1メートル弱で、丸まる感じに株がまとまって緑と言っても銀色っぽい、または白っぽく見える細い葉がそれほど密ではなく茂る。 5月頃に砂漠一面に数メートル間隔で生え、ややミントっぽさのあるキクの葉独特の香りが広がる。 夏には酸っぱい匂いに変わり一面が臭くなり、冬には枯れた株が根元あたりから地面を離れ西部劇のシーンのように荒野を吹く強風に転がりまくる。 腎的な癒やし効果のありそうなセージ・ブラシの砂漠を訪れるオススメは5月上旬。