SL2-Sが修理から帰ってきた。
3度目の修理だと思う。 最初は電源が入らなくなる現象が起きた。 電源周りの故障はライカには多い気がする。 M10だったかシャッターが切れなくなるとか電源が入らなくなるといった話を聞いたことがある。 以前に使っていたM8も電源周りの不具合があったし、ライカ全般的にもしかしたら電源周りは弱いのかも? という印象。
そしてその1回目の修理から戻ってきた時に、他の不具合が見つかった。 というよりは新たに発生した。 調整不足という感じの不具合だったが、これが不正確だとけっこう不便だったので2度目の修理に出した。 で、返ってきたが同様の不具合が発生したのでその調整のため3度目の修理となった。
ご機嫌ナナメになるのはライカのカメラのご愛敬といえばご愛敬なのだけど、修理の際のカウンターでのやりとりに、「へ?」と目が点になったことがちらほら。
これらの不具合の他に確認したい事もあった。 1つはストロボの発光制御で、純正のクリップ・オン・ストロボで「⚡A」(オート?)にしても「⚡」(常時発光?)にしてもある程度の明るさ(露出条件)になると発光を止めてしまうことで、返答は「毎度発光させたかったらライト組んでワイヤレスなりワイヤードなりで使ったらいいじゃないか」だった。 1つは、メモリ・カードへの書き込み方法で、「SD1 = SD2」の時にSD1で消去しても、SD2にはその画像は残りプレビュー時に表示されるので紛らわしいためミラーリングにする設定はあるか? に、「他のメーカーも同じ動作じゃないんですか?」だった。 1度目の修理の後、あるセンサーを用いた値にズレがある不具合が発生し、修理後の確認では分からなかったのだろうか? と、同意を求めるような口調で問いかけたのだけど、苛立ちやや喧嘩腰で「修理が混んでいて忙しい。そうした細かい処はいちいち気にされても困る」と、凡そそうした返答。 そして2度目の修理に出して調整されて戻ってきたが、その後すぐに症状が再発。 実用上困るので3度目の修理に出した。 その時に「ズレ」に対しては「許容範囲」だとの見解。 許容範囲の数値を訊くと、しばし要領を得ない対話の後に技術関係の方が出てきて、「許容範囲というのは無く、ゼロをきちんとゼロとして校正する」のが正解だという。 「他のメーカーも」とかではなく、ライカの調整基準やら考え方やら哲学やらの基準に基づいていれば話が脱線しないと思うのだけど、技術的な窓口での回答の曖昧さには閉口した。 そして明確に口には出さないものの全般的に「素人が来る処じゃないンだよ」風な口調は結構あからさま。
カメラマンの知人に話したところ、意外にも実はライカを手放したいと思っているという展開に。 聞けば、上記のような事とは全く違った内容だったが、「ライカはどこへ行きたいのだろう?」とちょっと落胆のご様子。 氏もSLシリーズを使っていて、まず重さへの疲労感があり、ほか何かにつけての中途半端さを感じているようだった。 更にはソニー a7シリーズと2台で撮ってみて、LightroomやCaptureOne等で時系列(機種はランダム)に並べてみるとどちらで撮ったか区別できないものが殆どなのだと言う。 確かにライカの方がRAWデータでもバランスよく決まっていたり、中間調のコントラストの出方がキレイで絵に芯がある感じなど、さすが老舗カメラ・メーカーと思わせる画作りなのは確かなものの、ソニー機もレンズとの相性次第だが同様と思える画像を出力するわけで、結果として・結論としては「ソニーでいいじゃん」なのだそう。 この画質の件については同じ経験をしていてホントにそう。 ボディが故障せず、APO-SummicronとかSummiluxとかを使うならSLシリーズで良いのだろうけど。 ソニーも修理に出す頻度は高い方だと思うがそれでも総体的な使い勝手はソニーに軍配が上がるかな。 SL2のシャッター音は良いし、青空の色に濁りないし。 懐具合と機材の総重量に対する体力・修理に掛かる気力に余力があればライカを持ち続けてもいいけれど。 SL2-Sを使って約3年、使い勝手でミラーレスの利点はたくさんあったけれど、M型ではない、つまりレンジ・ファインダーではないライカを持つ意味って何だろう? と時々思う。
何かの動画で、ソウル・ライターがワイン・レッドのマイクロ・フォーサーズのルミックスでニューヨークの街を撮り歩く姿に、ライカのレンズを使いたいならこの手もあるかと思ったことも。 その姿、ご年齢とカメラの軽さが程よく見えた。 すぐに買える状況ではないけれど、今は軽くてさほど壊れずそこそこ以上の高画素で高画質でシャッター音の静かな、ソニー a7R Vのようなボディが望ましいかな。