2024-09-30

とある工房の風景

   焼き物の絵付けの道具?
   セラミックの板に写真を焼き付けるという仕事で信楽の窯元を訪れてから、もう10年ほどが経つ。 そんなに経ったのか。 思えばその最初の段階で紙への印刷のため印刷屋さん初めてお邪魔してからは約11年。 思ったより時が経っていた。 紙と焼き物とでは少し勝手が違って、焼き物の場合は色を出すために窯の温度という要素があって、これへの「勘」のような処がなかなか分からなかった。 銅が青緑、鉄は黒に発色、等々あれこれ丁寧に教えていただきつつ、難題だったのは朱色の部分で、金を含む絵の具で色の深みを出しているらしく、温度を上げすぎれば金が黒化してくすみ低ければ深みは出ずで、他の色とのバランスもあって本焼きの温度についてはだいぶ無理をお願いした気がする。 色味の決定までは、数十枚に及ぶサンプルを作成しつつ先方は何度も足を運んでくれた。

   今日の小さな作業台、始めはマッチ箱が気になって撮りだしたのだけど、絵付けの筆やら薬品やら、何かの実験台なのか未だ素焼きの湯飲みもどき、ほぼ黒の濃い茶色に発色したサンプルの花瓶などを見ていたら、あれこれ色々と思い出された。

2024-09-29

久々の雨の帰路

   そういえば午後から雨だって言ってたっけ。 運転を始めて15分もした頃には、ライトに照らされた雨がそこそこ白い線に見える本降り。 今日の午前中は、とある法事のスナップ撮影があって午後に少しの疲労感。 運転途中でトイレに寄るためスーパーに入り、何とはなく買い物でもと。 思ったよりもフルーツは高価なのと種類が少ないのとでほぼ素通りし、デザート売り場に行ってみたら品薄状態だっのもあって興味を失い、ちっこい豆乳のパックでお茶を濁すか? と思い、結局、カップに入ったアイスを手に。 車検から戻ったクルマはどことなく具合の悪そうな音を立て。 さてどうしたものか。

2024-09-28

少し蒸し暑い夜

   9月下旬、あと1週間ほどで「寒露」と、冬の渡り鳥がやって来る頃だそう。 なのに今日は蒸し暑くて夏の忘れ物のような宵の口。 とあるお店の50周年企画だというので足を運んでみると、ほんの半年程前から比べても通りの様子がどこか寂しい雰囲気。 米軍基地が近い地域事情から、駅のコチラ側は歓楽街となりイザコザも多めな通り。 911以降は日本人客の方が多くなったというが、合計しても来訪者は減っているのだろう。 またハロウィーンやクリスマスや年末となれば賑やかになり、異国の裏通りのような妙な緊張感が戻ってくると思うのだけど、今日は随分と静かだった。 金曜の夜のほうが賑やかかもなぁ、でも土曜だしもっと賑やかでもよさそうなのにな。 老舗ディスコを覗くと20人ほどの客。 23時近くになって更に10人ほどが来店。 ...それなりに人、多いか。 と思いつつ. ディスコでの曲がテクノでもラップでもなくて低音をチャージできないまま若干の空虚感を思いながら出口へ。 通りでは白いトヨタ・クラウンのボンネットに黒人男性が横たわり、それをLEDライトで照らしてクルマに吸盤でカメラ --- たぶんソニー・アルファを取り付けて動画を撮る、総勢黒人5名の姿。 この通りの雰囲気をカッコイイと思ってなのだろうなぁ。 カッコよく撮ってくれてるといいなぁ。 ミュージック・ビデオの制作? プロっぽいけどそこまでガッツリ感はなく、でもクルマや人の往来をかわしながら一生懸命。 まぁいいンじゃないか? と、掴みどころのない何かに納得して通りを後にした。

2024-09-27

夏の名残

   道にノウゼンカズラが一輪落ちていた。 神社脇の林へ行くと蝉の鳴き声がたくさん聞こえ、蚊にも何か所か刺されたし、まだまだ夏っぽい場面に遭遇するもんだ、と。 さほど暑くなく、でも軽く汗ばむような、北風と言ってもさほど冷たさもなく、何とも中途半端な季節感で、夕方の雲もオレンジというほどオレンジでもなく、上空の風は流れる方向が入り乱れているのか、寝ぐせのようなランダムな形。 当面は曇りや雨が続きそう。

2024-09-26

April Flash

   アメリカっぽい雑貨が所せましと並ぶ雑貨店。 "ROUTE 66"の道路標識の柄のステッカーやBetty Boopのワッペン、US Air Force関連のワッペン、DAD'S ROOT BEERのロゴの灰皿等々、貼るところも置くところも思いつかないのに何だか欲しくなる品の数々。 お店の前は米軍基地。 時々こうした空間に浸るのもいい感じ。
   ちょうど今日は抜けの良い晴れ。 気分的にもちょうどぴったり。

   夕方には雲が多くなって空の色がややグレーがかり、ナナメに建物の隙間から奥の建物を照らすコントラストが面白かった。 秋分を過ぎ、「雷鳴のおさまる頃」と言われる今頃は、秋らしい景色のほんの入口。 目立った紅葉もないけれど、色づいた木々が照らされ浮き立つ風景や、冷たい風に冬の気配を思うような街の景色だった。

2024-09-25

曇り空

   通りに来る日はけっこう曇りの日が多い。 心地よく青空の下でこの通りを撮ったのは、昨年8月上旬、いかにもな真夏の暑い快晴の日だった。 確か用事を終えて午後から撮り始め、歩き回って気が付けば14時半で、指先が痺れて軽いめまいを覚えてラーメン店に入った日。 そうした好天で外出できる日が重なる機会は貴重。
   この通りを記録撮影のように撮っている人は何人かいるらしい。 つい先日Youtubeでこの通りの色々な場所・姿をまとめた動画があったり、ライブ・ハウスでバンドを撮る人に遭遇したり。 老舗ディスコの人からは「もう一人、女の人で写真撮る人いるでしょう?」と訊かれたり。 おそらくライブ・ハウスでお見かけした人だろうなぁと思って思い出したのは、バンドの演奏を撮っているときにベンチの少し離れたところからスッとレンズがこちらに向いた瞬間で、反射的にフッとよけてしまった。 大音響の中でもあり言葉でのやり取りは困難で、お互いのレンズの種類と向いている方向で出る・引くの呼吸を合わせて撮りつつも、お互いに何を撮る人なのか? 仕事なのか否か? などは気になるところ。 なのでその時、「やぁ」と掌を広げてレンズを軽く覗き込むようにしてもよかったかなぁと。 挨拶代わりに。

   瀬戸正人さんによるインスタグラムの書き込みで細江英公さんのご逝去を知った。 16日のこと。 91歳。 9日も前か...。 少ない接点ではあったものの、「君は何を撮るんだい?」と話しかけてくれたり、道で会うと「やぁキミかぁ」とちょこんと手を挙げて挨拶してくれたりと印象の強い方だった。 もう一度お会いしたかったなぁ。

2024-09-24

Store Closed

   丸い取っ手。
   今日は朝からずっと風がわりと冷たい。 北風なのだそう。 昨日から日射しがだいぶ秋らしく、今日は湿度が下がって更に秋っぽい。 ただ残念ながら、両日とも外に出た時間にはあまり日射しがなくあまり季節感のないフラットな調子に。
   今年は花があまり咲かないンだなぁと思っていた彼岸花が、けさ見たら花芽が増えていた。 赤花7本だったのが17本に、白花1本だったのが2本に。 つい数日前まで暑い残暑がと言われた夏日が続いていた記憶もどこへやら。 空気は晩秋や冬の訪れという気配。

2024-09-23

通り沿いの窓

   イスの座面から窓枠までは20cmほどだろうか。 窓は2階。 酔って座っていたら落ちそうな雰囲気。 下は細い路地があり、そこそこ人通りがある。 街路灯が光り出す頃にはまったりした風の時間が流れ、ごく短い通りながらファスト・フード店が2つ、バー営業のレストランが地下と2・3階も合わせると7軒。 と言って呑み客が次々賑やかに往来するでもなく、このイスからぼんやりと通りの風景を、行き来する人の流れるのを見ているのも悪く無さそう。

2024-09-22

彼岸花 その2

   開花は昨日だったか、今年はなんとなく小ぶりな花の彼岸花。 急にターンして台風から変化した低気圧が日本に接近中のためか朝には大雨。 能登半島では121mm/hというかなりの降りだったらしい。 今年1月1日の地震からほぼ9ヶ月も経つのに、まだ分断されている道路があるようで救急活動が困難なのだという。 ボランティアに行った人達の話を聞いても、やはりインフラの整いはすこぶる低速な感じがする。
   きのう植え込みに見つけたショウリョウバッタはまだ同じ木にいた。 木と言っても僅か25cmほどの高さで、一昨年植えてまだ成長を始めるほど根を張っていない。 その状況で夏の暑さに焦げて残り少なくなった緑色の葉はぜんぶ食べられてしまった。 この近くかこの木に卵を産むつもりだろうけど、周りにあるのは硬い葉のツタ類のみでこの木だって葉が出てもたかが知れた枚数だろうし、幼虫が孵って食べるものがあるだろうか? 今日は気温22-23℃程度。朝から降ったり止んだりの雨は冷たく場所を移動する力も出なそうだし。 移動させる場所も思い当たらず。
   きょうは秋分の日。 暑さ寒さも -- との通り、この先は段々に気温が下がって行きそう。

2024-09-21

彼岸花

   開花は17日頃だったか。 今年は2本は出てくるかと思いきや1本のみ。 赤は7本で例年の半分くらい。 「ウチは出てこなかった」という声もあり、今年は彼岸花の当たり年ではないのかな。 今日は曇り時々晴れ。 明日はたぶん雨。 昨日の、曇り気味なのに蒸して歩くとドロドロとなるよりは涼しく、それでも足が重くなってゆくような妙な暑さだった。 道端の植え込みではショウリョウバッタが最後の? 腹ごしらえ。 オシロイバナもあと1週間ほどで開花期を終えそうな雰囲気。 「今年最後の猛暑日か」と言われた今日、気温は30℃ほどと言うほどは上がらず、朝鮮半島辺りから急なUターンで日本に向かい出した台風14号は、そろそろ熱帯低気圧になりそうだけど風雨はそこそこ強さを保ちそうな雰囲気。 この雨、今度こそ秋への切り替わりとなるか?

2024-09-20

かつて

   もう何年も前、写真の整理のために、半年だったか1年くらいだったか、とある倉庫へ通っていた時期がある。 朝は事務所に顔を出し、その後は夕方まで倉庫。 往復は自転車で、そのほぼ中間地点がこの辺り。 店名が壁と同一色で塗られているのを見ると、お店は閉められたのだろうか。 案外この時期のことは断片的ながら覚えている事も多く、往復で見ていた風景も、その後どうなっているのか気になる場所もちらほら。 一般住戸が多いこともあってあまり写真的にはバチバチ撮るような場所でもなく、これまでは足を運んだとしてもごく遠慮気味な訪問だった。 今日はなんとなく予感がし、所々特徴ある見慣れた風景もそろそろ様変わりの時期なのでは? と気になって行くことにした。

2024-09-19

雷雨のあと

   ようやく夕方になって外出。 昼過ぎからは絶え間なくという感じで雷が鳴り続けそこそこの降りの雨。 夕陽で空に色が付くかと期待していたがさほどでもなく暗くなってしまった。 午前は33℃くらいに。 明日が猛暑日予想の最終日となりそう。 35℃って表示されてる。
   ふた昔くらい前の夏って、暑かったけど気温はせいぜい30℃前後で、蒸してはいたけど極端な湿気の日はさほど多いわけでもなかった記憶。 そして9月上旬、夕方や夜に大雨がやってきて、それを境に急速に秋めくという記憶。 近年は季節の境目がぼやけているような、行ったり来たりするような曖昧さを思う。 ここ数年は季節が1ヶ月早く進んで見えるようだとよく聞いたけど、昨年あたりから景色的には1ヶ月ほど置き去りな感じがする。 もう20日ほど前だろうか「台風10号が秋雨前線を刺激して大雨が」と聞いたような気がするが、その秋雨前線もいまどうしているやら。 それでも暦通りにお彼岸からは秋に切り替わるのだろう。

2024-09-18

「不安定」な空

   この少し後に大雨。 大雨の雲はこれとは反対側からやってきた。 空一面、久々に濃いグレー。 一旦止んで雷雨に。 また気温は33℃台になり、クルマの温度計は38℃を指していた。 そろそろこうした日は無くなってきそう。 それにしても蒸して重たい暑さだった。

2024-09-17

あらためて

   久々に晴れ+この街。 何度も撮っている場所なのだけど、あらためて... たぶん何度目かの「あらためて」と思っての撮影。 その前提としては、街の記録、そして人々の暮らしや生業を思うような --- なのだけど、ここは夜の街なのでこの時間ではどうしても前者の色が濃く。 時間と季節と天候とを選んでガッツリ撮りに行かないと、何度も「あらためて」になりそうだなと思うこの頃。 そして、なかなか着手できないけど「ステートメント」を作ってみようと思うこの頃。 大きく影響しているなぁと思うのは、年齢を重ねたためなのか、一度「アメリカ熱」が冷めている点。 その昔は「アメリカ」への熱量で色々と思い・動き・撮りということがあったが、現在、いまだ、やや温度差が。 数か月前にこの街のスナックで見せて頂いた写真集で、医師をされていたという方がその昔に撮ったという街で見たアメ車が綴られたものがあった。 巻末の作者の言葉に、かつては夢中でアメ車を撮っていたが歳を重ねてふと気づくと、その興味はいつしか冷めてしまっていたようだ --- と。 そういうのってあるんだろうなぁと、つゆぞ軽く共感。 ん? 共感していつ場合ではなく、ずっと向き合ってきた対象なので「アメリカ」の写真はまとめないと。 そして言語化してみる作業はそこには必須、かつ面白そう。

2024-09-16

have tried

   ハンバーガー・ショップへ。 新店舗となって初めての来店。 以前に気になっていた着火燃料の匂いはほぼ無くなっていた。

   昨日、トランプ元米大統領が銃撃されたとのニュースがあった。 ゴルフ中だったらしい。 トランプでゴルフと言えば、もう6-7年ほど経つだろうか、来日したときにゴルフ場へハンバーガーを出前してもらっていた。 確かそのとき 故 安倍元首相と一緒。 ハンバーガーは東京 芝のあたりのお店で、それ以後メニューには「トランプ・バーガー」というのがある。 正体はコルビージャック・チーズ・バーガー。 バンズもパティも各具材もバランスの良いハンバーガーという記憶。

   昨今はファスト・フードが軒並み高価とのこと。 米国の情報で、この10年でマクドナルドのセット$5.89が$9.72に、バーガー・キングは$6.09が$10.93に、ウェンディーズは$5.89が$10.79に。 65-83%の値上がり。 「ファスト・フードは贅沢」との声が聞かれるらしい。 たしかに$10なら、ちょっと足して他のものでもよいかも。 そういえば先日驚いたのがピザの値段。 もう30年も前の感覚からアップ・デートできていないのがいけないと言えばそうなンだけど、ついコロナ禍前頃はまだその感覚とほぼ同じく、17インチ(Lサイズ?)は$17.89くらい。 それも具沢山がそれくらいで、ペペロニとチーズのピザなら$13とか$15くらいだったような...。 で最近、注文しようと近所のドミノ(日本)へ行き、Lサイズが1枚 5,500円くらいと感覚を大きく上回る値段に一瞬めまいを感じた。 何せ数年前? もう5年くらい経っている? 頃は「お店でLサイズ・ピザを買うとLサイズもう1枚プレゼント」とかで値段は2,300円くらい? 3,000円は行かなかったと思う。 その値段でLサイズ2枚なので、「最近」の値段は2倍? ん? 4倍? たしかネット注文しようとカートにピザ2枚を入れたら、50% OFFの価格で5,400円くらいだった。 え? 正規の値段だと2枚でほぼ1万円!? ここ2年ほどは何でも値上がりとなったが、それと比べてもファスト・フードの値上がり率って大きいのかも。 あ、今日のハンバーガーはファスト・フードではないので比較にはならないけど、材料の割にはお手頃価格の範囲だったナ。

2024-09-15

夏のような秋のような

   今日も33℃台。 最近連日33℃台。 そしてけっこう蒸して暑い。 早朝の凪の時間には軽く雨が降り虹が出ていたらしい。 台風の影響なのか昨日・今日と風が強めで、その影響なのか季節の影響なのか、今日の雲はわりと低空のヒツジ雲とシューシューと風に棚引く巻雲のようなものが多かった。 1時間も歩くと真夏ほどではないがそこそこ汗をかく。
   昨日のピンボケが気になって今日も試しに何枚かピントをずらして撮ってみた。 ..けど、ただのピンボケ写真にしか思えないものしか撮れなかった。 意外と「オーバー・インフ」だからピンボケがちょっと異質な画になるのかも。 ごくありがちな風景でピンボケを作るなら、ピント位置はおそらく手前(近く)にずらすしかないと思うのだけど、マウント・アダプターでは「これ以上ないほど遠く」である「∞」を越えたところにピント位置を持ってゆける。 そうすると、近かろうが遠かろうが画面全域でどこにもピントが合う場所がないわけで、そりゃぁ不思議な感じにもなるだろうなと、「∞の先にある距離ってどんなだ?」とぼんやり考えながらの街歩き。 光学的にはレンズ位置がズレるのだから単にピントが合わなくなるのは、それはそうだろうと思うけど、「無限遠」の先にピントを追っていると思うと、掌の中のちっこいカメラとレンズと、太陽系の外へと飛んで行く人工衛星、ボイジャーやパイオニアの遥か彼方が似た境遇にあるような気がしてくる。 ...ちょっと大袈裟か。

2024-09-14

Completely Out of Focus

   あれは今年の3月? 墨田区東向島の、写真集制作のワークショップなどを行っている「Reminders Photography Stronghold」(以下「RPS」)を訪れたときに、代表の後藤由美さんが話しかけて下さった。 近年思っていることなのだけど、霧の濃い森の中で撮ったような、いわゆる心象風景的な抽象画のような写真をよく見かけ、撮った本人以外ではなかなか言わんとする処が分かりにくいのではないか? という事がある。 ここRPSに集う写真家の作品もその傾向が強いように感じ、ついその事を代表に言うと、心象風景であるのは当たり前で、表現の仕方にはそれぞれの時代の傾向という事はあろうが、本を制作してゆく上でその心象がプリントの仕方や並べ方、製本の仕方を通してフォーカスを鋭くしてゆき具体化してゆく --- そうしたお手伝いが出来るのがココだという旨が返ってきた。 そう、アンセル・アダムスやエドワード・ウェストンが好きで「ファイン・プリント」こそ写真表現だと思ってきた輩(自分)には、なかなか「時代の傾向」として近年の写真表現を同一線上の現象として見ることが出来ていないだけのことのよう。
   そうした事を考えるよりも、自分の写真を集めて纏めて並べて足したり引いたりをしてみるのが、理解への近道のように思った。 理解もそうだが、それ以上にとにかく出力する方向にもって行かないことには始まらない話というか。
   さて、なぜそのエピソードを思い出したかと言えば、きょう期せずしてピンボケの写真を撮ってしまったから。
   このピンボケは、「オーバー・インフ」(「インフ」=インフィニティ=無限大/無限遠: ∞)と呼ばれるものに起因する。 マウント・アダプターでカメラ・ボディと異なるメーカーのレンズを組み合わせることが出来るのだが、大抵はピント・リングを回したときに無限遠が間違いなく撮影できるよう、安全のため無限遠「∞」の位置を越えてリングが回るように出来ていて、今日のこの撮影時には「いちばん遠く」のはずの「∞」よりも遠くにピント位置がありピンボケとなった。
   ピンボケの写真って、自分的には「ない」なぁと思っていたのだけど。
   最近では写真家の渡部さとるサン(自称”現在Youtuber”)が「ピンボケの力」と、ピントをぼかしても対象の存在感はあり続け、時にその力強さはむしろピントがボケているほうが強さを感じる」といった事を言われていた。 んー、まぁたしかにそう見えるか.. なぁ..と、やはりしっくり来ず、でもその写真を通しての想いのようなものは確かに伝わってきているような不思議な感覚になる。
   そして今日、偶然に撮ったピンボケの写真を見て、不覚にも?? しっくり来てしまった。 今日は街の中を歩いて40カットほど撮ったし、夕方の分はこの他にピントの来ている写真もある。 でも今日はこのピンボケ写真が心象風景という感触とともになぜか心地よく。 普段なら「ピンボケ=あぁ残念」なのだけど、本当に何故か「なぜか」なンである。 ふと、ピント調整って、写真が発する現実感の調整か? と思ってみたり。

2024-09-13

気になる看板

   この近所は何度か歩いているけど、この道は初めてだったかも。 気になる看板や民家がちらほら。 1ブロックがなんだか細長く、長辺は300-400mくらいじゃないだろうか。 その昔のこの地域一帯の田んぼは、水路の関係らしいが長細い区割りの田がたくさんあったらしい。 「一反」が約1,000m2(10m x 100mなど)、「一町」が約10,000m2(100m x 100mなど)で、それで言うと約50m x 400mで、田んぼ一枚あたり「20反」や「2町」といった辺りか。 今は住宅がびっしり建ち、奥には競輪場。 そうした中に古くから商売をされているらしき古い看板がちらほら。 ここは何回かに分けて観て回っても面白いかも。 超広角のレンズも持って行って建物ごと撮れればそれも面白いかも。

2024-09-12

CONTAX-Gレンズと

   また円安が進む前にと思ってマウント・アダプターを購入。 どうせなら$1=¥128あたりの頃に買っておいても良かったのかも。 為替レートを気にするほど高価でもないけれど、$1=¥180と言われると割高感はそこそこインパクトが --- と思って、¥180になる確信があるわけではないが$1=¥146前後の今のうちにと。
   使ってみるとCONTAX-Gレンズとは、何となくソニー a7SIIの方が相性が良いような気もする。 ...なんて言わずにとにかくあれこれ撮ってみようというこの頃。 CONTAX-Gレンズ+L-mountボディの組み合わせは必須ではなくちょっと興味程度に考えていた事もあり、うだうだと日々が過ぎるなかに期待はそこそこ高まってのようやくのアダプター購入。 SL2-S+Sonnar 2.8/90mmはまだ撮ったことないし。 去年はM-Rokkor 90mm F4でテツ&トモを撮りに行ったっけ。 今年は来なかったみたいだしナ、Sonnar 90mmは紫金山/ATLAS彗星でも撮ってみようか...。 そうだった、その彗星が来るから「F2.8」のこの90mmに必要性を見出したンだっけ。 でも彗星はソニー a7SIIと90mmがいいかな。 SL2-SにはCONTAX T* Planar 1.4/50mmを組み合わせてみようか。 「1.4」だし。

2024-09-11

ハンバーガー・ショップ

   3ヶ月ほど前に1kmくらい先から引っ越してきた新店舗。 この隣にはトンカツ屋? と、蕎麦屋とカレー屋が。 どれも経営者が同じらしい。 ここは和食屋とスポーツ用品店があった辺りで、その後しばらくは新たな建物の一部にテナント募集の看板が出ていた。 そしてちょうどよく系列店が集合となったよう。
   旧店舗では、注文すると炭が入っているらしいグリルに着火用の燃料をザーッと入れて火を起こしてパティを焼き始める。 強火で炙るように焼かれ、ハンバーガーとしては結構いい感じ。 ただ心なしか燃料の匂いの残っている感あり。 できれば赤くメラメラ燃える炭の上で熱するように焼くのが理想なのだけど、炭を作る時間・火を維持できる時間と客の入り具合は合わないのだろう。 炎で食材を炙るのは「和風バーベキュー」という調理方法と言えそう。 さて新店舗では?
   その昔、アメリカに暮らし始めて1ヶ月ほどした頃だったか、知人同士で海へ行ってバーベキューをした時の事。 「アメリカ人になるにはバーベキューできないとダメ」と若干カタコトの日本語で言われた。 その手順は、炭をストーブ(コンロ)に並べる、着火用の燃料をかける、木くずや新聞紙を添えて火を点ける。 暫くすると炎が上がり始め、ある程度燃えたところで小さな空気穴の開いたフタをする。 すると40-60分前後で炭は炎なく赤々と燃える状態となり、パティや肉や野菜を焼き始めるのはここから。 脂が落ちれば炎は上がるがそれほど高くは上がらない。 この遠赤外線でじっくり焼くような焼き方が美味しいバーベキューなのだそう。 途中でフタをすれば煙で燻されてスモーキーな味も楽しめる。 一般家庭であれば子供が海で遊んでいる間にバーベキューが進行し、遊び疲れてお腹がすいた頃にちょうど焼きあがってそれを頬張るというのが休日の一つの風景なのだろう。 時間はかかるが遊ぶ時間と味とが都合よく楽しめる。 その昔、とある在日米軍基地と国道を隔てるのがフェンスのみだった頃、道路に近い家々の軒先にある、赤や緑や黒の球体に車輪が2コ付いた脚の取り付けられた物体を眺め、あれは何だろう? とその後も長いこと不思議に思っていた。 大抵の家々にはそうしたバーベキュー・ストーブがあり、時が経ってその風景を思い出しては、なんだか生活観に余裕があるなぁと思う。 まぁ今の世となってはある意味贅沢な「七輪にサンマ」もいいなとは思うけど。

2024-09-10

暑い日

   まだ外を歩いていると汗をかく。 暑さと秋っぽい日差しの混じった天気。 一直線の線路際の道ではずっと遠くまでよく見える。 小さな積雲がぷかぷかと見え、街のなかも様々な影はわりとくっきり見えて、道路や建物に映るその模様には影が長く延びてきている感じがする。 暦では秋だし白露を過ぎたしと高をくくって歩いていたら、なんだかくらくらするし。 今日も33℃くらいか。

2024-09-09

白露のころ

   (写真、差し替えました

   白露 --- 秋めいて、白露を結ぶ。 ここ4日ほどは気温33℃台とやや暑く湿度もやや高め、曇りの予報だったがわりと日射しがあった。 今日は夕方からゲリラ雷雨に警戒と言っていて、空を見回すと積乱雲のような雲が目についた。日中、歩くとけっこう汗をかく。 陽の当たる信号待ちはちょっとしんどい。 それでも日射しや空気に混じる冷たさには秋を思う。 セミの鳴き声は昨日は聞いたと思ったが今日は聞かなかった。 アオスジアゲハやアゲハチョウを何羽か見かけた。 住宅の玄関先で彼岸花が咲いていた。 朝の草に梅雨がついている気配はなく、暑さに誤魔化されているあいだに、けっこう急に秋に向かっているンじゃないだろかと思う。

2024-09-08

COFFEE

   2018年にオープンしたコーヒー豆屋さんらしい。 ドリップ・コーヒーも販売があるようだけど、店頭のベンチで飲む事になるのか、歩きながらになるのか? 今度ココを目指して行ってみよう。 少し古っぽい建物の渋さも手伝って気になるお店。 引き、建物全体も撮ってみたいし。 今日は歩いているうちに曇ってきちゃったけど、晴れた日にでも。

2024-09-07

取り壊しの気配

   「青果店」の看板。 ほんの2年ほど前まで、ひっそりとという感じで営業していた。 あまり陽が当たらないので野菜を売るにはちょうど良い条件。 数日前に店主が、あらためて --- という風に片づけをされていた。 今日は人の気配がなく、建物がこの姿で在る僅かな時間といった佇まい。 ここ数年だけだったけど、居心地が良くて何度か行った小さなレストランも間もなく取り壊しの雰囲気。 一方でこの界隈では大小の集合住宅4棟が建築中。 少しずつの変化ながら、5年も振り返るとけっこうな変化だったり。 ...それにしてもマンションやアパートの建設が多いなぁ。

2024-09-06

隣町の焼肉店

   オレンジ色に円い取っ手のドア、ずっと前に古い美容室で同じ感じを見たっけ。 そちらは10年ほど前に建物が無くなり、いまは民家。
   今日は初めてのLeica SL2-SとCONTAX G T* Planar 2/45mmの組み合わせ。 全くと言うくらいクセがない。 もう少しシャドウにかけての叙情的なグラデーションやザラつきっぽく見えたりするのかと思いきや、元々がこのPlanar 45mmは、音で言うところの長調というか抜けの良い明るさを持っている感があるので、まぁ特性のまんまと言えばまんま。 この感じからするとCONTAXのPlanar 1.4/50との組み合わせも似た傾向なんだろうなぁ。 今度また程よい晴天の街に持ち出してあれこれ撮ってみよう。 SL2-SとCONTAX G Sonnar 2.8/90との組み合わせも気になるし。 諸々追々。

2024-09-05

隣駅の町

   よく歩く街とは同じ市内ながらひと駅はなれてた、あまり歩いたことのないところ。 古い文具や本を扱うお店が3店、もっとも1店はシャッターが下りていたが、1店はたばこを売るブースが店頭にあった。 訊くと「知らない間にインスタにアップされてたりして、タグはみんな『レトロ』って (笑)」とのこと。 たしかに古いタバコ売りのブースは、市内ではそこ以外ではもう見かけない。 今日はとある事情で撮影できなかったが、またいつか足を運んでみようかと。

2024-09-04

南米の曲

   ペルーあたりから来た人達だろうか。 北米のインディアン、メキシコの方々、南米西岸側の方々は雰囲気が似ているなぁと思う。 簡易な看板には「南米アンデスの音楽」と書かれていて、歌詞はスペイン語のように聞こえる。 かれこれ20年ほど前にこうして駅前で歌う4人組のCDを購入したことがある。 雰囲気はちょっと異なるものの、もしかしたら今日のお2人は同じ人? のようにも見えた。 CDに入っていて欲しかったのは「花まつり」という曲で、期待しつつCDプレーヤーのトラックボタンを押して1曲1曲送って行き、とうとうお目当ての曲には巡り合えず。 いつかリクエストしてみようと思いながら、今日ようやく。 そろそろ最後の1曲という頃に「すみませーん、ウマウアケーニョ?」と話しかけてみたら「a? el humauaqueno」と、--- リクエストと認識しれくれたようで「花まつり」の演奏が始まった。 明るい雰囲気の曲で、心なしか遠巻きに眺めている観衆の笑顔が増えた気がする。 今度の日曜だったか、近く(お店?)でライブをやるらしい。

2024-09-03

名残

   また暫く曇天と雨空。 カシワバアジサイの花ガラ。

2024-09-02

晴天

   陽が射す程度の晴れ間は何度かあったが、晴天はここ数日で久しぶりだった。 気温32-33℃、湿気はさほど高くなく、どちらかというと爽やかさを思うサラッと感。 8月下旬から、遠くの音が乾いて聞こえてくる11月下旬頃を思うような日が幾つかあり今日もそうした感じがあった。 11月下旬のそれは、本当に乾燥してきた空気に晩秋らしい弱い陽光のなか、遠くの工事や建設現場の金属音や機械音が多重に反射しながら聞こえてくるがさすがにそこ迄ではなく。 今日は風の強さも手伝って、音は流されてむしろ遠くに追いやられて行く感覚を覚えるような、遠く積乱雲と近くには薄いスジ雲が棚引き、まだまだじんわり汗ばむ夏日ながら、どこか季節の変わり目を意識する「晴れ」だった。

2024-09-01

米軍基地横のとある地

   ある映画のロケ地。 映画は1981年制作なので風景は大きく変わっている。 山崎努が演じる中年男性「マスタングの男」が住んでいる設定の場所が真ん中あたりに見える白っぽい建物の近く。 その辺りには、所謂「米軍ハウス」が数棟建っていて道は泥にぬかるんでいた。
   今日はこの隣町で用事をしていたのだけど、何も撮ってないなぁと思い夕方になって足を延ばした。 どんよりしていて駅舎を何カットか、ホームに向けて何カットか。
   今はひっそりした駅前は、1980年頃にはずいぶん人通りがあったようで、映画にはローラー・スケートをする子供達やかき氷などを売るスタンドが見られる。 実は記憶があるのは線路の反対側の国道で、特に2階建てのドライブインは、屋上に米軍基地の飛行機が見られる有料の双眼鏡が数基備えられていたりして、たまの長旅の途中の印象に強く残る楽しみな場所だった。 まだこの区間を代替する高速道路はなくて多くの人が休憩に訪れた。
   なのでその当時の駅前には縁がないのだが(ここを訪れるようになったのは1990年代になってから)、時期を同じくしての隆盛期に思いを、映画に記録された映像に手伝ってもらいつつ(なので半分はデジャヴみたいなもの?)馳せてみたり、かつての遠い地のおぼろげな記憶から今の居住の地で地元の人々と思い出話をしたり、時にどことなく愉快。