2025-05-08

西陽

   湿度が低く、冷たいでも暑いでもない風が吹き、光線が拡散せずにまっすぐに地上に届く立夏の頃の夕刻。 同じような夏の日射しの夕刻に漂う、湿度に焦らされ時の流れが鈍化したような、フィルムの銀粒子が映画のスクリーンでじりじりうごめく静かな胸騒ぎのような、どこかノスタルジックな風景とも違ってひたすら心地よい時間。