2013-08-31

フェンス


   横田基地の東の端。 毎年開催されていた「友好祭」が、今年から無期延期となった。 米軍の好意で基地の一部を開放して地域との交流うぃ図るという事なのだろうが、近年は近隣というよりは遠方からの来場者も多かったのだろう、ゲート手前の交差点では警察が出て交通整理をしないと収拾がつかない程になっていた。
   滑走路と格納庫の間のスペースには、ハンバーガーやステーキ、ホットドッグなどの出店が出、飛行機のデモ飛行や、横田基地駐留の軍人さんのバンド演奏、夜には花火大会と盛りだくさんだった。

   人員や費用をかけるわりに「日本」からの反応が芳しくなかったりしたのかな、などと余計なことも考えつつ、何か関係が変わってきてはいるのだろうな、と、フェンスの先の広い敷地を眺めてみる。

2013-08-30

日の暮れ方


   台風15号が日本海側で大雨を降らしている。 ここ関東でも夕方は大雨という話だったのだが、雲が厚くなったくらいで大きな変化はなかった。
   どことなく、秋に向かおうとしている空の景色を、まだまだと、夏の名残が攻めて来ているような、そうした風に見えた低く西の空からどんより灰色雲。
   日の入りは18:12で、つい4~5日前からは5分も短くなっている。 夏至からの1ヶ月では、日が短くなったのは5分だった事を思うと、案外急速に季節の変わっていることを思う。 雲が厚い事もあろうが、日の入り時刻からわずか10分ほどで、あたりは夜になっていた。

2013-08-29

ゆか?


   木漏れ日や涼しげな小川のある風景や、夏ならではのそうした風景を撮りたいなぁと思いながらも、なかなか遭遇できない。
   安易かなぁと思いながらも、最近よく立ち寄る公園に足をむけた。 夏の初めよりも少し大きくなったろうか、鯉の稚魚がたくさん泳ぐこの小川に、午後の陽をところどころ浴びる木々、「床」のように小川の上に建つ東屋、京都の貴船にみる「床」(とこ)、とまでは行かないが、これまたこじんまりと風流な感がある。
   ちなみに京都・鴨川の「床」は、「ゆか」と呼ぶのだそうだ。

2013-08-28

空の半分、うろこ雲


   沖縄の先まで台風15号が迫っている。進路は日本海に抜けて行くようだ。
   昨日の朝と同じく関東は空が高く、澄んでやや冷たさを感じる風は秋を思わせる。
   昨日よりも湿度は低めだが、日中の気温は夏の暑さ。小高い丘に登ると、遠景の空気の霞み具合と建物を照らす日射しの色や傾きに、ふたつの季節を感じた。
   まだまだ蝉の鳴き声は響きわたっているが、真夏のジリジリする印象からはだいぶ遠くなった。
   夕刻の、秋の近さを思わせるウロコ雲。

2013-08-27

ススキの水滴


   夜半まで雨だったようだ。早朝、フサフサしたススキの穂が、水滴を朝日に光らせて道端に伸びていた。「これだ!」と、いきなり朝イチで今日を物語る1枚にと思ったのだが足が止まれなかった。 歩きだったのだが、撮影への気構えが成っていなかった。

   その後ずーっと1日、「あの1枚」が気になりながら過ごした。 そうそう出会える「光景」ではないように思えるからだ。 で、1日、何かと周囲の景色のなかに「あれ」を超える「光景」をと何かと気にかけていたのだが、ついに特に何もなく... しかしこの日の夕日はいい色に焼けた。 遠く大きな積乱雲には夕日が当たり、距離のためか淡いトーンのなかにも存在感がある。 その周囲も、特に北西方向は遠く低めにぐるっと雲が続いて、これも淡い色調ながら絵画的でもある。
よし! と思い立って普段よりも1本北の路線にまで足を伸ばして西行きの電車に乗った。 が、途中2駅しかない停車駅では、交換待ちだ時間調整だと、結局3駅目の終点に着いたときには、雲の色はほぼグレーになっていた。 日の入り18:17。 到着は18:00頃で、西方の山並ゆえか、夕方の色味がなくなるのは、日の入り時刻よりもやや早いようだ。


   で、それでも空の開けた場所を探して街を歩きはじめた。 進んでは立ち止まり、路地を覗き込み、なかなかに怪しい。

   この街は区画整理、というより道路整備のために様変わりの途中だ。 地面の高さというか、地上1階というか、地続きにあった駅の改札は、約3階分の階段を昇ってカラフルなステンドウ・グラスを横目にSuicaをかざして「ピッ」となった。 駅前に通る道路も、新たな路ができれば、駅に立ち寄るための旧道でしかなくなるように見える。 駅前はお決まりのビルの建設現場となっていて、いつもそこそこの人通りに活力を思った小さなお店の並ぶ商店街は、アングラな空気を被って妙な一画になってしまいそうな、ちょっとイヤな予感。

   ススキとはだいぶ離れたが、僅かに残る「以前の街並み」の匂いを、切り取ってみようと思った。

2013-08-26

晩夏の面影


   朝の気温が26℃台になった。 これは大きく下がった印象だが、相変わらず湿度は88%と高い。 シャワーを浴びたあとの汗は引かず、歩き出せば汗ばんでくる。
   まぁ、朝夕は涼しいと感じるが、日中はけっこう暑い。 そうした1日で、帰り道にちょこっと公園に立ち寄ってみた。 涼しげな芙蓉の花が目に入ったからだ。 つい2週間程前は、この時間には花はしぼんでいて、もう夕方には咲いてないものなんだなぁと思っていたのだが、あれは暑さのためだったのだろうか。
   オレンジ色のやや強くなった光線と、やや霞んで感じる空気の湿気とが、どこか「晩夏」という単語を思わせる。

2013-08-25

対処は、


   頭痛、首痛、肩こり--- ここ数ヶ月の疲れがドッと出たようなこの3日間だった。 夕方からはやや持ち直した。

   夏バテかな。
   あと、PC疲れかな。 首の骨がまっすぐに伸びつつあるのを感じる3日間だった。 首と腰の湾曲って、素人でも付けられるといいなぁ。 イソガイ式の整体、また行ってみようかな。 福島弘道先生系の鍼灸院もいいなぁ。

2013-08-24

力が入らない...。


   どうも昨日からカラダがヘンだ。
   午前中の用事を終えるとけっこうな頭痛と首痛、などなど。

   これはトルコ桔梗? なんだか涼やかな色が心地よい。

2013-08-23

冬支度?


   例年ならば10cmくらいに沢山の茎を伸ばしてたくさんの黄色い小さな花を咲かせる「月見草」。 「宵待ち草」とも呼ばれる草である。 だが本当は「宵待ち草」というのは、これよりもひと回り大きな草丈に花径で、薄いピンク色の花をつけるのだそうだ。 つまり「通称」が「月見草」であり「宵待ち草」ということなのだろうか。

   「月見草」と「宵待ち草」と呼ばれる草には、草丈1mほどになるものもあり、これも草むらや土手でよく目にする。 「通称」で呼ばれることは、どれも身近という点から親しみやすさを思わせ、これはこれでアリなのだろう。

   さてこの「月見草」、例年と違って葉を地面に這わせるように、葉は硬めに重なりあい、何かから身を護っているようにも見える。 周囲に写っている、ペニー・ロイヤル・ミントもしかり、上ではなくひたすら地面近くに茎を這わせている。
   地面に葉をペタっとつけて生える様は冬に目にする姿で、それを連想させる。
   今は猛暑と叫ばれる夏日が続くが、これが醒めると、急激に冷えがやってくるのではないだろうか。

2013-08-22

斜陽ぐあい


   散歩に出かけると、意外なところに公園を発見。 公園といっても小さな工場などが点々とする中にひっそりとあるような処で、子供の姿は見当たらない。 ブランコの下も草だらけだ。
   目につくのはネコジャラシ。 夏休みも終わりに近づき、夕刻ヒグラシの声を聞きながら残りの宿題にゲッソリするといった頃だろうか。 この陽の傾き方は、ずっと昔に、お寺と神社、公民館の建つヨコの公園でブランコや鬼ごっこで遊んだ記憶にどこか似てる気がした。

2013-08-21

さて明日は、


   レンジ・ファインダーの面白さ、一眼レフの面白さ、それぞれにベクトルの異なるワクワク感が楽しめる。
   近年手にしたCarl Zeissのズーム・レンズは、さらに行動範囲を広げてくれた気がする。 長いこと手元にあるCarl Zeissの50mmは、思い返すと案外いろいろな処へお伴してくれている。
   さて明日はどれが最適だろう。

2013-08-20

シキミ


   お寺の境内地で見つけた妙な実。 初めて目にした実で、なんとも不思議な気分になる形。
   「シキミ」という札が木にかけられ、何でもこの木の葉は仏教的な式典に使われるのだという... 常緑樹なんだろうか? と一瞬あたまをかすめ、セミの鳴き声のするモミジの木を見上げたら、アブラゼミと、その30cmくらい上にミンミンゼミ、その30cmくらい上にカマキリが、ミンミンゼミを狙っているところだった。 こちらは蚊に狙われ放題。 足早に退散した。

2013-08-19

フーセンカズラ


   朝から暑い。 朝はシャワー後なかなか汗は引かず、窓ガラスの傍は熱気の層があり、外に出たらじりじりとした日差しに湿気、アブラゼミにミンミンゼミと、夏も終盤という匂い漂う空気にさらされた。
   グリーン・カーテン、って言うんだったっけ。 この言葉が浮かぶまでに2日もかかってしまった。 今更ながらに「これ横文字なんだなぁ」と認識し、ついでに「これってジャングリッシュ(英語圏の人間は違和感を感ぜずにはいられない奇妙な当て字のような英語 - "和製英語") じゃやないだろうか」とも勘ぐってみた。
   その「カーテン」はゴーヤとメロンとスイカの間の子のような実のウリと、フウセンカズラで構成されていた。 一部のフウセンカズラはもう外側が茶色く、中には黒い種があることが想像される。 8月の24、25日は街の2大祭りの1つが行われ、少し山あいに向かうと9月の6日前後にお祭りが点々と行われる。 農耕祭というにはまだまだと思っていたが、この「カーテン」を見たら「そろそろなんだなぁ」という気になってきた。

2013-08-18

Lucky


   「あー今日の雲いい感じ」」と思いながら、クルマの運転中だったり、電車に乗っていたり、駅で降りても空が開けてなかったり、夕景に合いそうな街並でもなかったり。 案外、夕焼けとカメラを持って向き合える機会というのは少なくて、頑張って年に3〜4回くらいだろう。 今日はほぼ日没の時間になってしまったが、ふと思い浮かんだ、有刺鉄線の絡むフェンスと夕焼けの画を収めるに至った。 だいぶ光線は弱まってしまったが、タイミングとしては運のいい方。

   それにしてもこのレンズ、ピント・リングをぐるぐる回してみるが、どのあたりが合焦した状態なのかがなかなか掴めない。 ファインダーをのぞいていて、シャープさを感じるでもなく、写った雲も、線の描写が繊細なような、どこかまったりしているような、それでいて質感やら奥行きは出ているように見える。 使いやすいような、使いにくいような... クセ玉なのか、素直なのか、さっぱりわからない、妙な魅力が魅力。

2013-08-17

やわらぐ暑さ?


   暑いのだけど、ちょっとだけ風が冷たい気がした。
   夕方にはまた湿気がじとぉっとやって来てしまったが、まぁ、穏やかな夏という雰囲気で夜を迎えた。

2013-08-16

なんとなく秋


   まだまだ夏の暑さなのだけど、夕方の雲は思いがけず秋を思わせる高さだった。 高いと言ってもまだまだ低く、あと2,000〜3,000mはあがってもらわないと気分が出ない。 蚊もいっぱい...。

   10年振りくらいかなぁ、20年かなぁ、いや15年くらいかなぁ、このレンズ使うのって。 高校生の時に先生に薦められ、社会人になってすぐくらいに買ったんじゃなかったかなぁ。 安価なレンズだけど、なかなか手応えのある感じ。

2013-08-14

どこまでか続く道


   いつも手前で曲がってしまう川沿いの道。 今日はその先まで行ってみようと思った。
   「その先」というのは2つの川の合流点で、「V」時の内側にあたる。 こちら側はアスファルトの自転車と歩行者用の道が合流点に向かって土手の上に続いているが、もう片方の川沿いの道は途中でアスファルト路が終わって先は土の道である。 そうした「V」の字は、「続く」というよりは「終点」という感じがするのだが、不思議と時々ランニングやサイクリングの人がやってくる。
   今日も暑く、ランニングをする人の顔は暑さで真っ赤だった。

   夕方には「外は気持ちいいよ。涼しい風が吹いてる」という声も聞かれた。 たしかに外は、暑くも冷たくもない、心地よい風が吹いていた。 ひとりは、明日の朝にかかる高気圧に期待して高い秋のような空を撮ると言いい、朝5時起きのため早々に家路についた。

   先日、アメリカの祝日の暦というのを見ていたら、「秋の訪れ」が9月22日となっていた。 一瞬、日本の立秋は8月7日だったのにな、1ヶ月半の開きがあるなんてと思ったが、よく考えれば日本では「秋分の日」、秋のお彼岸の事だ。 その頃ともなればススキとダンゴと月見を連想させる空気の香る季節。 それまでのひと月強は、どんな変化が見られるだろう。

2013-08-13

杜のなか


   昔、シカゴ美術館で見た鉛筆画がある。 高い木々に囲まれた山道を、あれは木こりだろうか、小枝をたくさん切り出したひと山を背中に担ぎ、木漏れ日の中を歩き行く画だった。 その木漏れ日の射す山道と遠く街の気配、歩を進める1人の男性。 何とも言えない穏やかなひとときが描き出されていた。
   山の中というのは、独特な時の流れがあるように思える。 朝の透明な陽射しと、午後のややオレンジ色を帯びた陽射しと、それぞれをたっぷりと湛えるように木々が枝の間から山中へと導き入れて「森の時間」が作られる。 そして日暮れまでの赤い光は、次第に夜の暗さに冷やされて次第に消えてしまう。 森の動植物の営みが、そうした時の流れを好むが故の姿なのではないだろうか。

2013-08-12

ひるがお


   小さなピンク色の花 --- 通称「ひるがお」と呼ばれ、その名の通り、アサガオやユウガオと花の特徴はよく似ている。 色が薄いたけなのか、どこにでもたくさん咲いているためなのか、どうしても"雑草"という認識の域を出ない。 6月頃から咲き始め、秋口くらいまで、フェンスなどに絡み付きあちこちで咲くこの花は、摘むと雨が降って来るという言われ付きである。 小学校の下校時に、降ったら自分が困るのに、怖いもの見たさに似た感覚で何度かこの花を摘んだ事があるが、不思議とその都度雨に降られた。
   今年は撮ってみようと思っていたひるがお。 もっと寄れるレンズだと良かったのかもしれないが、たまたま今日、色の濃い、この2輪が目に入ったので。

   今日も暑く、夕方に強烈な夕立に遭遇。 ひるがおは摘んでない、と、ふと確認するように頭にその事が浮かんだ。 一旦止んだ雨は再度、陽が落ちて暫くして雷雨となった。 幸い、外に出ている間はさほど濡れるでもなく行動できたが、今日は板橋区で落雷との事、西武線が運転を停止の後、43分遅れで運転中だと駅員さんが教えてくれた。

   草むらでは、秋の虫の合唱が始まっている。

2013-08-11

つづく暑さ


   昨日よりは少しだけ、それこそ0.何度という程度だと思うが気温が低いように感じる。 近くの神社の御手洗の水も、あまり冷たくは見えない。
   じとーっと強烈に暑い朝の空気は日中さらに過熱し、東京では夕方に都心部や調布市付近で強い雷雨となった。 京王線は落雷の影響で夜まで止まってしまった。
   陽は落ちても気温は落ちず、昨日よりはマシだがまた今日も熱帯夜だ。

2013-08-10

暑さ最大


   この夏最高に暑い1日だった。
   もう朝からじっとりグッタリで、日中も、普段エアコンが要らないような涼しい仕事場ですら冷房が効かなかった。 夜になっても暑さは引かず、熱帯夜具合が続くこの3日目で最高潮という予感。 おとといだったかの午前3時の30℃、今日は横浜で日中40℃だったというし、30℃では済まなそうだ。
   近所のネコはやせ細って、カメラを持って近づいても逃げるでもなく、全身を伸ばして建物の影に身を休ませ、とても集会どころではなさそう。
   立秋を過ぎてからは力強い入道雲を見なくなったが、この湿気はどうしたもンだ。 暑すぎてアイスを食べる元気も失せてる...。 思わず先月買った一眼レフに付いていた「ミニチュア・エフェクト」なんぞを試してしまった。 まぁ、奥の人物にピントを合わせてこそ出る効果とは思ったのだけど...。

2013-08-09

夏の匂い


   気分はだいぶ「秋」という認識になってしまったが、世の中は普通に「夏」である。 このどっちつかずな気分のままちょっと散歩に出てみると、見た風景の切り取り方もどっちつかずな感じ。
   茶色くなりかけているネコジャラシや、サルスベリの花、ヒルガオと川と、いくつか撮ってみた中では、まだまだ夏の匂いのしたこの川がしっくりくる。

2013-08-08

立秋の翌日は


   昨日は立秋。 少しは秋らしくなるのかと思いきや、その立秋だった昨日からの猛暑は今日も続く。
   ユリというと6月くらいに咲くイメージだが、この鉄砲ユリは、最近あちこちでツボミを見かけるようになった。 日本本州での原種に近いのだろうか、この鉄砲ユリは種でぽつぽつ増えているようだ。

2013-08-07

駅のホームで


   朝から写真を撮りに出かけてみた。 午前中は曇りと言われていたが、日の出か晴れ、すぐに気温は上がり、湿気もだいぶある。
   今日あたりからまた1週間〜10日ほどは猛暑なのだそうだ。 「梅雨明け直後の猛暑を思い出して、熱中症などご注意下さい」と天気予報。 また33℃〜35℃といった表示が目に入る。

   今日は立秋。 言われてみれば少しだけ陽の光はアンバーっぽい気もするし、空気の感じも♭なトーンという気もする。

   暑さというより、湿度の高さが体にコタえる。

2013-08-06

雨の気配


   朝から日本本州の各地で雨が降っているようだ。 この積乱雲は、天気予報の地図と重ねると、おそらく小田原付近。 どれくらい離れているのだろうか、200kmくらい? かな。
   天気としてはそれほど悪くはなかったが、夕方になって雷雨となった。 2時間ほどで上がり、高い気温のためか道路の乾きも早かった。

2013-08-05

ながい影


   日中は見た目に抜けのいい空気に直線的な太陽光、湿気と軽く熱気をおびた風が吹き、近所のゴーヤの葉の重なりに、その重なった枚数に応じて太陽光を透かしてタイルのような模様を成している。
   ちょっと懐かしい光景に見えた。 8月上旬と言えばまだ夏休みも半ば。 もしかして中学や高校生の頃の主な「夏休み」の記憶は、案外この立秋付近の今頃の事なのではないかとも思った。 夕方にはアブラゼミの大合唱。 そして長く伸びた影と、わりとアンバーっぽい色の木漏れ日。 冬だけではない、そういえば記憶を辿ると「夏の長い影」というのも思い当たるところはある。
   日没の時間あたりでは、遠く入道雲と密度の高い綿飴のような雲、それにジェラートのように練り込まれたかのような質感の雲、高くウロコ雲。 風は涼しいが湿気はたっぷりで、少し歩くと汗がまとわりつく。 あの雲の、少し重そうに感じる様子は、水分を多めに湛えているのだろう。
   「日」は着実に短くなりつつあり、つい半月前からは10分以上短い18:40頃だ。 だいぶトンボが飛びはじめている。

2013-08-04

きょうも


   思いがけず今日も立ち寄った野球場。 スタジアムを昨日と逆周りしたら、目の前に昨日のベンチへ通ずる橋があった。 今日も1枚。

2013-08-03

休息


   喉が渇いて、道路脇に見えた野球場の駐車場にクルマを向けた。 自販機でアイス・コーヒーを手に、やや涼しい木陰でゆっくりとそれを飲む。
   近くには小さな川があって、遊歩道が整備されている。 遊歩道と川とは柵で区切られているのだが、所々でそれが途切れてベンチが置かれている。 川に向かっては緩い下りで、ほとりは割に平坦になっている。 春にはその河原で花見をする人の姿は多いのだという。

   夏というには柔らかな日差しで、時折吹いてくる風は案外つめたく、意外にも陽光は赤っぽい、穏やかな空気だった。

2013-08-02

ここにあったもの


   ここに何があったのかが思い出せない。 この場を見る限りは最近まではコイン・パーキングだったようだ。 その前は...。

   今日は数人で動いていたので、「あっ」と思うものもあったのだが、一人で撮影に没頭するわけにも行かず、この1枚になった次第。

   東京光音 (とうきょうこうおん) という会社の見学に出かけた。 映画フィルムの修復やビデオ化、ビデオ化した映像のノイズ取りなどを行っているところである。
   その中で出た話で、2011年3月の東日本大震災で持ち主と離ればなれになってしまったビデオテープやDVDなどの修復の仕事があったのだという。 塩や砂を被ってジャリジャリになったテープを、シェルから取り出して洗浄し、再生出来る状態にまでするというのだが、砂というのは思いのほか入り込み、機械ものには非常に悪影響を及ぼすため、扱いは非常に繊細で、再生する機械に掛けられるようになるまでは、まさに根気勝負の毎日であったという。 それでも、全て流されてしまったという中に、こうした映像を届けると、それがその人々に力を吹き込むのだという。
   「本当にやりがいのある仕事だよね」と所長さん。

   いろいろなものが少しずつ、しかし大きく変化をしている。 1コマ1コマが捉えるもの、そうした「とあるひととき」は案外貴重なんだろうなと思う。 もっと時間を大事にせねば。

2013-08-01

くさむら


   撮る物を探してふらふら歩いているうちに、だいぶ街を外れてしまった。 実際は「だいぶ」... という程でもなく、繁華街からは5分ほどしか歩いていない。 マンション1つの先が急に大平原になっている。
   かつての軍事基地の跡なのだが、飛行機を飛ばす都合なのだろう、基地のある街には無くはない風景ではないだろうか。 つい10年ほど前、まだこの一角に大きな格納庫が残っていた。
   そうした記憶を重ねながら、目に入ったのは、アカツメクサ、ツキミソウ、ネコジャラシなどの草たちだ。 普段は特に注意を払わないような草なのだが、咲き、種子をつけるこうした草が、夏の象徴かのように一同に会している様子が気になった。