Lumix S 20-60mm f3.5-5.6。 これ確か、ミラーレス・カメラのLumix S5のキット・レンズとして登場したもの。 S5はVlogger向けにも意識された機種なためか、自撮りに重宝しそうな広角に強い設定となったのだろう。 区分は「標準ズーム」なのだろうけど、20mmスタートだと微妙に「広角ズーム」と言いかける。 「標準ズーム」は24mmスタートが主流。 24~70mm、24~105mmが多く、一般的な撮影では24~105mmがあれば結構な重宝具合。 70mmでは足りなさを思う場面が多くて、最低でも85mmまでは欲しいと思う。 必要十分な焦点距離域は? となると、Leica VARIO-ELMARIT-SL 24-90mm f/2.8-4 ASPH.は絶妙。 なのでこのLumix S 20-60mmの「60mm」Max.には軽く困惑もあったのだけど、何より価格が安く、その分は描写力に少々目をつぶるとし、悪い評価もあまり目にしなかったので試してみる気になった。
60mm Max.で不足があれば追々対策を考えようと思い使い始めた。 使ってみると、実際の解像度はそれほど高くはないのだろうが解像感がある。 抜けも良く、周辺の光量不足も流れも気になった事がない。 歪曲はさすがにカメラ側でがっつり、周辺光量もちょっと補正されている。 描写はスッキリとしていて柔らかめのコントラストで描く印象。 もう少しダークが締まってくれてたらなぁと稀に思うこともあるものの、全体的には不足感がなくてなかなか良好。 このスッキリ感はLeica Summicron-M 28mm F2っぽくもあって、時々ライカ気分も楽しめる。 何より20mmスタートという、これまで無かった広い画角からのスタートで、少し前まで「20mm」や「21mm」は特殊な画角っぽく思っていたけれど、このレンズを使うようになって「自分の撮るものって思ってたより広角側が必要なんだなぁ」とあらためて思った次第。 「60mm」Max.もそれほど不足を思うこともなく、と言っても、お馴染みのCONTAX Carl Zeiss 28-85 F3.3-4も持ち歩きつつなのだけど、丸1日「20-60mm」で過ごしてしまうというか、済んでしまう事の方が多い。 「20~60mm」というのは、企画としては随分と思い切った規格だと思うのだけど、Vlogでなくともこれは「アリ」。
Sonyが一昨日「FE 20-70mm F4 G」を出したのだけど、これは人気出るだろうなぁ。 「~70mm」には「汎用感」があるし、耳慣れた「ナナジュウ」が「なんとなくの安心感」を醸すように思える。 「G」レンズなので旧Minoltaの技術陣のノウハウが込められていると期待する。 ただ、光学ガラスのクセから来るのか描写力に馴染みにくさがあると中古品の増加傾向として如実に表れることもあり製造元は気になるところ。 中古の出玉が多いのは、試したいと思うとありがたい現象だけど、そもそもその状況になるレンズだとすると試すまでもないような。 でも光学的に「腕に覚えあり」の「G」レンズだし、今後ネット上でのレビュー記事に期待しつつ諸々楽しみにしてみよう。