坂から
長いこと気になっていた坂の上。 ずっと前にはこの坂の途中から、隣町がよく見えたけど、今は木が育ったのか、生い茂った木に遮られてスキマからの僅かな景色でしかなかった。 すごい昔、ヘール・ボップ彗星だったか、百武彗星だったかをこの丘の上に見に来たことがあった。 その時は空が開けていたという事になる。 景色は、もし木がここまで生い茂ってなくても、手前に増えたマンションなどのためにそれほどの見渡し感はないのかも。 色々と記憶を手繰り寄せてみるものの、ほんの1~2回、それも夜にちょこっと訪れただけなのでそもそも引き出しには大した記憶もなく。 「すごい昔」から過ぎた年月は思っていたよりも長かったのかも、と思いながら坂を下った。