夏が近づくと、夏になると「今年こそ」と思うのが、もう14年ほど前の写真談義のなかに出てきた ---「縁側にストンと落ちる日射し」。
夏独特の影の落ち方 --- 記憶にはけっこう思い当たる景色があるのだけど、いざ身辺に探してみるとそうそう見つからない。
厄介なのは、ただ影の落ち方を狙うだけなら、むしろ冬の方が「それらしい」影の「際」に遭う率は多い。 カメラにしても夏より冬の弱いコントラストの方がデータとしてはどうも収まりが良い。 でも夏に撮りたい。 ダダをこねてもジタンダ踏んでも季節が移り変わってしまうだけで、これはどうにかしないと何ともならない。 ...どうしよう。
夏 --- 葉っぱ? 湿気? 影の落ちるその明るいところと暗いところの際は、からかうように、肺のあたりにむず痒さがくすぶるような、じんわりとジラジラと曖昧さを湛えていて、なぜかそこは限りなく無音な感じがする。