前から気になっていたアパート。 このはす向かいの通りの角には、30年ほど前にはタイル張りのたばこ屋があった。 もうすっかり様子の変わったこの界隈で、いくつか残る古いアパートの佇まいが僅かに当時の記憶を呼び起こすきっかけに。 住居ってのはなかなか撮りにくいものでカメラを向けるのを憚られることも多い。 今日は日差しのストレートさと、人の気配が弱かったので撮ることに。 何年か前に塗り替えられていて、その前の雰囲気がまた良かったのだけど所有者・居住者にしてみればスッキリ・キレイな方が良さそうなわけで。 この周辺の同じくらいの年代の建物も最近ペンキを塗り替えられていて、案外それで通りの雰囲気が変わって見えるくらいの影響がある。
古いアパートに惹かれるのは、たぶん、その昔、学生時分に住んでた街にあった古いアパートの記憶のため。 「その昔」に既に40-50年は経っていそうな建物で、2階は階段を上がると真ん中の通路に面して両側に部屋のドアが並んでいた。 「ザ・下宿」と言う風の、小さな部屋が1フロア8部屋だったか10部屋だったか、キッチン・トイレ・風呂は共同だったのではないだろうか。 たぶん1、2階それぞれに共同のものがあったと思うが...。 そこの一室で、同じゼミ生だった中国からの留学生のRくんが、お別れの時に料理をしてくれ、ワインを振舞ってくれ、決して豪華なものではなかったが気持ちのこもった晩餐だった。 以後は米国と日本との間で絵葉書でのやり取りを何度かしたが今は音信不通。 そもそも中国に知人はごく少ないのだけど、そのなかで中国の人としては唯一知っている物静かで思いやりのある人物。 本国に帰っていると聞いているが元気だろうか。
