蕎麦屋の一角に置かれたレコード・ジャケット。 ここ、3年周期ぐらいで訪れている。 蕎麦を楽しむのも然ることながら店内に流れる音楽との出会いが楽しみになっている。 音楽はジャズのみ。 前回はThelonious Monkで、聴くのは初めてだった。 この話、以前にも書いたナと思いつつ --- 何より惹かれたのはジャケット写真で、粗めの粒子の白黒のそれは、ピアノの演奏中と思われる奏者が目をつむり顔をやや上へ向けている、深夜・静かで叙情的な曲・タバコの煙を思わせるものだった。 調べたら「楽園への歩み」「カントリー・ドクター」「ミナマタ」を撮ったEugene Smithの写真。 ニューヨークの「LOFT」と呼ばれていたジャズ・ミュージシャンの巣のような、商業地区の小さなビルの一室で撮られたものだった。 「LOFT」での写真撮影もこの時に初めて知った。
今日のOscar Peterson、興味深い情報が出てくるだろうか。 近く調べてみよう。
前回、同じようにジャケットを撮ったときはZEISS Loxia T* Distagon 2.8/21mmだったっけ。 端正な写りのレンズだったけど空の色がうまく出せないことが多かった。 その前に来たときは Carl Zeiss T* Biogon 2.8/25mm ZMで、心地よいシャープさと柔らかい色味の楽しいレンズだったっけ。 でも結局「25mm」に馴染めなかったンだった。 「25mm」は、CONTAX Carl Zeiss T* Distagon 2.8/25mm以来2本目で、その時に馴染めなかった「25mm」への再チャレンジだった。 色々と記憶が蘇って来ながら店内をキョロキョロ。
さて蕎麦を注文しようと「『せいろ』1枚ください」と言ったら、なんと無くなっていた。 なにせ3年周期なのでこうした変化もあり得るかと思いつつ、とりあえずという感じになってしまったがメニューをざっと見て値段の手軽な「ぶっかけ」を注文。
流れる音楽はごく小さな音で、料理が出てくるまでの時間、出処を探すと棚の下の方にB&Wの小さなスピーカーがあった。 以前はJBLのロゴの付いた大きなエンクロージャーに、奥にウーファーとフル・レンジと思われるユニットが見えるスピーカーと、大きなホーン・ツイーターが2つ上に乗っている、それらが鳴っていたと思う。 真空管「300B」が挿さった手作りっぽいアンプで駆動され、電灯などのON/OFFの都度、大きく「ボコン」や「ブチッ」とノイズが乗る。 きょう見たら機材は大きく変わっていて、メーカーものっぽいシャーシに入ったそれらは多分ノイズとは無縁。 ジャケットや機材に見入っていると、「何かご希望があればおかけしますよ」と店員さん。
