2021-12-27

予感

   小さなレストランの建物の脇に置かれた植木鉢。 おそらくお店の前に植えられたバラを運んできたもの。 シャッターが閉まってから半年以上が経ち、半月ほど前にご主人の体調不良を知った。 気になりつつの今日、いつもはよくシャッターが僅かに開けられていたり、近くに自転車が置かれていたり、奥にはなんとなく人の気配があったりしたのだけど、ずっしりとシャッターが降りていて、植木鉢が、そこだけスッキリとした空気感のなか視界に入り、ポツりと置かれていると言えばそれだけなのだけど、すっとさり気なく、でも何か強い思いで「整えられた」感じが伝わってくるよう。
   親しいなにかが去る日には、なぜか何だか妙に印象的な風景・光景を見、少し冷たくざわざわした空気に意識が反応する。 只たまたま午後の陽の当たる植木鉢、そこまでではないかと思いながら。