2021-12-01

夕暮れ

   久しぶりに空いっぱいに雲が広がり夕暮れを迎えた。 昨夜はけっこうな雨だったらしいけど、起きた時には既に小降りになっていた。 その雨の影響なのか空気が澄んでいて、夕暮れ前から陽射しが「まっすぐ」に届き、地面や木や家々を照らしている感じがした。
   気になる色に、その昔の村上龍の小説のタイトルだった「限りなく透明に近いブルー」がある。 もう30年ほど前に、用事を終えた日没の少し後の帰宅の途、駅を降りて空を見上げたときに、まさに「あ!」と思う「碧」色の空が広がっていた。 星が小さく点々と見え、細い月もあり、地平線近くはややシアンの残る薄い藍色。 それ以後、「あ!」と思うその「ブルー」には遭っていない。
   もうひとつ、写真のことを教えてくれたお師匠さんが言っていた「悲しいほどの夕陽」。 思うに 1960~1980年代頃に撮られた映画のような色調。 富士の16mmフィルムで撮り、作られたプリント・フィルムの、グレインが見えて暗いところは青く落ち込み気味になり、それで撮った夕景は、夕陽の当たるところ以外はどことなく青を感じる色調だったのではないかと想像する。 シーン的には真夏の、と言っても立秋直前のギラギラ感の残るオレンジ色の夕陽に照らされた低階層の建物の多い「都会」の景色。 近いところでは... 「太陽にほえろ」的な?
   「スローなブギにしてくれ」的に雑多で、汗と陽炎の似合う「夏」で、1990年代前半頃まで街に漂っていた「人くささ」や「人同士の距離感」というか --- 人工的で無機質だけどどこか人間臭い「夕陽」。 これも遭えていない。