劇的な雲
台風が日本海寄りを進んでいるようだ。 このあたりは様々に流れる雲の影響で、窓に射す光の強弱はめまぐるしいほど。
そのなか、戦闘機が飛んでいるような轟音が響き渡った。 気になって、音のした何度目かで屋上に出てみた。 戦闘機が2機ずつ南の方へ向かうのが見えた。 暫く見ていると、一定間隔でまたやってくる。 同じ編隊なのか、新たな編隊なのかわからないが、燃料タンクと思われる突起が4つずつ付き、速度も遅く、どこか遠くまで旅するような支度に見えた。
西の空には米軍基地から飛び立った貨物機が、雲の切れ間に時折姿を見せながら大きく東に頭を向けながら旋回してゆく。
南国での台風接近を思わせるような、上下左右のすべてに目一杯ひろがる雲の動きのなかに、飛行機も街並みも雲間を縫うように景色を構成してゆく。 早く、勢い良く変化しながら流れ行く雲に囲まれるちょっとした時間。