2013-09-13

ガード越しに


   秋特有の、軟らかいながらパキッとした光線具合が心地よい。 暑いがどこか涼しさを思う午後のひととき。
   こうしたガード下は、ずっと前に住んでいた、川沿いにあったアパートを思い出す。 時々土手へ出かけ、掛かる鉄橋の橋桁にレンズを向けた。 ただコンクリートの建造物だが、こうした陽を得ると、なかなか表情豊かに景色に溶け込んで、にわかに土地の匂いを漂わせる。
   遠くの音が小さく響いてくるような透明度の高い空気にはもうセミの鳴き声もなく、静かに秋の来訪を感じる。