いつかの蕎麦屋
もうこの蕎麦屋を訪れたのは10年ほど前の事。
お昼少し前の店内は混み始めていて、すでに個別のテーブルには案内されず、大きな木の切り株のようなテーブルに案内された。
大きなスピーカーが置かれ、真空管のアンプでドライブされてジャズが流れていた。 電源は家庭用電源なのか、時折何かのノイズを拾って低い「ボコん」という音が大きく鳴る。 こうした繊細なアンプは乾電池でドライブすると澄んだ音も期待できようが、そもそもCDプレーヤなどからの音の信号にもノイズが乗ってくるだろうと思うと、まぁ、時々の「ボコん」音も愛嬌といったところか。 音としては悪くない。 弱々しい入力のため、まるっきりボイス・コイルの動きそうにないJBL製とおぼしき巨大ウーファーは、かろうじてという感はあるものの芯を感じ取れる定位感。
蕎麦はといえば、程よい歯ごたえと、程よい温度、心地よい甘みとからさのつゆ、噛むと広がる風味といいなかなか爽快な印象だ。
また今度の機会には、立ち寄ってみようと思う。