2013-07-17

はじめて見たときは


   カラスウリの花。 秋には高木にツルを絡め、手の掌で軽く握ったくらいの大きさでオレンジ色の実を付けるウリである。 スイカの縦縞のような、しかしオレンジ色に同化してしまいそうな薄い白っぽい模様があり、ウリとは言うがその中身は納豆のような種がひと塊ある程度のもので、まず見た目にも食用には適さないといった姿。
   その花なのだが、小さい頃からカラスウリは身の回りにたくさんあった割りに、これを目にしたのは近年になってからだ。 初めて見たときは思わず引いた。 一歩後ずさりした。 日の暮れる頃に真っ白に浮き上がる、触手を広げたような見た目が何とも不気味に思えたからだ。
   ...慣れれば「夏の風情」である。