かすかな夕陽
少しだけ、夕方の雲が彩りを放つのではないかと期待するような雰囲気があった。
特にどこか当てがあるわけでもなかったが、やや急ぎ気味に目的地へ向かったのだが、その途中で、夕陽は雲の中に吸い込まれてしまった。 雲に赤い光が射して広がりを見せる事も無く、濃いグレーの夕刻を迎えた。
あれはどこの地域の表現なのだろう、「狐の嫁入り」という天気がある。 15時過ぎくらいだろうか、空が割と高く濃いブルー・グレー一色になり、青黄色の強い陽光が街並みや電柱を照らし、それらが暗めの空を背景に白っぽく浮き上がるように際立つ光景だ。 そのコントラストが好きで、毎春楽しみにしているのだが、なかなか撮影の機がない。 そしてここ数年は、その鮮烈な光景に出くわしていない。