久々に意識して
その昔は、スミレというと紫や薄紫で野に生えていた。 園芸種である「パンジー」なるものを初めて見たときには、同じスミレでありながら、その多彩な色に目を奪われた。
残念なのは、こぼれた種から翌年発芽するその株は、細く伸びてパンジーではなくて小さな「三色スミレ」へと変化してしまう。 思えばパンジーこそが変化した姿なのだろうが、今時のパンジーやビオラも同様なのだろうか。
その事があって、パンジーを購入する事はまずない。 街の中にはパンジーがたくさん植えられるが、果たして来年はどうなるのだろう? 翌年もパンジーを植えるのであれば、種を取ってとかではなく、市町村なりが都度株を購入するという事だろうか? そう思うと、にわかに人工美としてしか映らなくなるその「草」からは、いつしか刹那的なものしか感じないようになっていたようだ。
そんな数日前、変わり種のスミレの写真を見て、「パンジーみたいな茎の長い花」と表現したのを、とある会話に聞いた。 それがきっかけだ。 久々にパンジーの色彩に向き合ってみたくなった。