2020-04-03

線路際のポピー


   ずっと「オリエンタル・ワイルド・ポピー」だと思っていたが、Wiki Pediaによると、どうやら「地中海沿岸が原産」らしい。 つまり帰化植物。 日本での名前は「ナガミヒナゲシ」で、名前の通り、実(種の入った房)が長細い。 植物関係の仕事に携わる知人によると、「根から毒性の液体を出し、他の植物を排除しながら増殖するので厄介」と。 毒を出して身を守る植物はたくさんあるが、これはその必要がないくらい強いように見える。

   同じくWiki Pediaより: 「ナガミヒナゲシにはsubsp. lecoqiiとsubsp. dubiumという2種類の亜種がある。両者は花の外見や開花時期、茎内の乳液の色などが異なるが、日本の図鑑などでは区別されずにどちらもナガミヒナゲシと表記されている。どちらの種も日本へ流入している。」

   4月中旬頃になると、ポピーの季節だなぁと思う。 その昔はアイスランド・ポピーが好きで種から育てたこともある。 「4月中旬のポピー」で思い出すのは、アメリカ・オレゴン州の線路脇に、石の間から出た芽はひと抱えほどの株に育ち、黄色に寄ったオレンジ色の、直径4〜6cmほどの花を咲かせる「オレゴン・ワイルド・ポピー」。 緯度の高いオレゴンが初夏を迎えてゆく風景。 しかしその名、これってアイダホで芽を出すと「アイダホ・ワイルド・ポピー」と言うのだろうか? それともオレゴン州に特定の種なのだろうか?
    --- という話から「カリフォルニア・ワイルド・ポピー」を思い出す。 こちらは8月中旬頃、サンフランシスコのマリーナ地区のユース・ホステルがある丘に、たくさん、色とりどりに咲いていた。 ちなみに、カリフォルニアとオレゴンの州境あたりに咲くポピーは、オレンジ色らしい...。
   カリフォルニアの強めの日差し、サンフランシスコ湾からのやや冷たい風、丘の芝生の匂い、木陰を作るユーカリの枝葉のゆらぎ。 冷たい風がため、遅めに迎えただろう夏の風景。 丘の中腹、公共エリアなのでセキュリティ的にはあり得ないのだけど、その時あまりに心地よく、ちょっと眠ってしまった。