2013-10-20

雨の一日


   ちょっと奥まった単線の駅。
   雨の中、とぼとぼと歩き始め、いつしか川に沿って森のような小路を歩いていた。 やがて住宅地に出、とりあえずたどり着いたのがこの駅。
   ホームは路線のカーブにあわせて湾曲していて、端から端が見えないのもこの駅を小さく感じる要因なのかも。

   もう5年くらい経つだろうか、この近くの駅の話になった事がある。
   近くというのは、この駅からひと駅行き乗り換え、私鉄でもうひと駅のあたりで、方向は都心部を向く。 都心から電車に乗ったその人は、仕事の待ち合わせでその駅に向かったというのだが、いざ降りてみると、屋根もなく1本のホームが横たわり、視界には原っぱとゴルフ練習場のネット、あとは木のベンチと高圧鉄塔くらいしか覚えていないというのだが、穏やかな晴れの日のそのホームで、「なんだかさぁ、電車で40分くらいの事でしょ? そんなに遠いわけでもないはずなのに、屋根もないホームで空を見て立ちつくした時の感じがね、こう.. 自分じゃどうにも出来ないくらい遠くに来ちゃったなぁーっていうか、何とも言えない寂しーぃ気になってきちゃってさ、なんかこう、残ってんだよねぇ、その時の『居場所が見つからない』みたいな切ない感じっていうの?」--- だったのだそうだ。

   んー、たしかに。
   屋根の無いホームってのは、どことなく取り残されたっていう感触が無いでもないと、時々思う。

   懐かしさを見るとかではなくて、どことなく寂しい感じっていうのはあるかもなぁ。