なるほど秋は。
街のなかの飲み屋、というか「バー」と言う方が似合うのだろうか。
建物に添うように立つこの柳の木は、ここがまるで違った風景だった約10年前にはすでにここにあったように思う。
その葉の動きに視線を誘われて、バーの入口に目がいった。 入口のドアは開けられ店内の明かりがテーブルを照らしているのが見える。 やや肌にまとわる様に湿気の混じる空気だが、気がつけばだいぶ涼しい。 夏なら虫が入って来るからドアを開け放っての営業は難しいだろう。 もちろんエアコンも効かなくなってしまう。 今の季節だからこその風景かもと思ってみる。 これはこれで、なるほど秋なのである。