2013-10-19

宵待草


   初夏の頃から「いつか撮りたい」と思っていた、「月見草」の姿があった。
   川沿いの道を、いつもは行かない奥の方までクルマを進めると、ぽつりぽつりと黄色い花が目に入った。 花は大振りで、ふだん野原のような場所で目にするのとはちょっと違って見えるが、通称「月見草」。 前にも書いた気がするが、この「月見草」と呼ばれる黄色い花の草はいくつか種類があり、野で見るのは草丈で1mほどになるものが多く、時々鉢植えで見かけるのはせいぜい10cmの高さで、花の大きさも野のものは直径で1.5〜2.5cmほどだが後者は1cm未満だ。 ただどちらも花の色調も形状(成り立ち)も葉の雰囲気も種の付き方も非常に似ていて、見た目には同じ種類なんだろうとは思う。
   そして共通なのが呼称で、どれも「月見草」とも「宵待草」とも呼ばれている。
   特に背丈の大きいものは、夕方頃に花の咲き具合としてはピークを迎える感じで、これが「月見」と言われる所以なのだろう。

   今日のこの「月見草」、不思議な事に川沿いに延びる土手の、僅かに2m程の高さのうち、真ん中からやや上あたりに、同じ高さで奥まで点々と黄色い花を咲かせていた。 撮影は朝だったのだが曇って薄暗く、その風景は夕方のようでもあり、その黄色い花は点々と明るく灯火が続くように映った。 今日の「宵待草」は、夜への導き役のように感じられた。

   台風27号が接近中で、その影響なのか朝に軽く雨が、昼頃に弱い陽射しが、夕方にはまた曇り夜には雨が降った。 まだ秋の気圧配置になりきれないのか、「関西の方では夏、北陸・関東以北は秋のような天気」という報道。 相変わらず中途半端な天候が続くが、最近ようやく朝夕に時期なりの涼しさ・寒さを感じるようになっている。