2020-11-27

あれ?

   昨日も閉まってた。 そのちょっと前は「3連休」があって閉まっていたのだろう。 今日も閉まっていた。 前はシャッターに「しばらく休みます」と貼り紙があったが、今回は何もない。 もしかして閉店してしまったのだろうか。 ほんの微かに「基地の街」の匂いの残るお店で、その雰囲気には懐古でもなく落ち着くものがある。 ...懐古かな。
   見たことのない、1970年代頃のこの街の風景を勝手にあれこれ想像しながらホット・サンドをかじったことがある。 以前、この近くに教会があって、路肩も満足に縁石がないような道端からその写真を撮ったのを思い出しながらカレー・バーグ(ハンバーグ&カレー)を食べたことがある。 その頃、ちょっと行ったあたりに飲み屋街があって、エラくたくましい野良猫の威嚇してくる写真を撮ったのを、生姜焼き定食を食べながら思い出したことがある。 ほんの20年前のこの街の、土埃と、丸太の杭に遠くまで張り巡らされ陽に光る針金の荒涼たるベタさの何とも似合うこと。
   道端のラーメン屋さん、放火で焼けてしまった大きな風呂屋に大きなクラブ「ファイアー・バード」、奥まった空き地には第二次大戦を思わせる、かろうじて形を残す古格納庫。 日射しが独特なのか、街の持つ空気なのか、あちらこちらで「影」が街の造作を浮き隠ししながら「陰」を思わせる風景を描く。 なんだか妙な必死さがあった「時」だった。 今この街は、紫外線に晒され続けたプラスチックのような脆さの時に見える。