2014-12-21

椿


   今年は椿の花はあまり撮らなかったな、と思いながらファインダーを覗いてみる。
   レンジファインダー・カメラは、見ている画は素通しだからレンズの描写はわからないが、デジタル・カメラなのですぐにそれは結果として表示される。 フィルムの時代の一眼レフの優位性と、レンジファインダー機の素通しならではの被写体との不思議な距離感の両方を併せ持ったのが今の時代の「レンジファインダー」カメラのような気がする。
   そうした事を思うのも、油切れのためメーカーに送ったBiogon 2.8/28mmの描写の変化を通してのこと。 グリーシングの際に「MTFの調整も行います」と、微調整を経て戻ってからは画のツヤや立体感が出、購入当初とはずいぶん性質が異なって見える。 素通しのファインダー越しにその変化を想像しながら撮るわけで、どこに感じるのか、なぜかシャッターを切る「手応え」も異なり、手と耳に残る感触から、そうしたことをぼんやり考えてみた次第。