2020-02-21

gallery bauhaus


   Gallery BAUHAUSでは「稲垣徳文写真展 『アジェとニエプスを辿る旅』」という展示がされていた。 落ち着いた作風で室内装飾として飾るには程よい雰囲気。

   今日はSaul Leiter展を、渋谷のbunkamuraに観に行きたかったのだが、残念ながら休館日。 同時に銀座ライカのギャラリーでも同氏の展示をしていると知って足を運んだ。 Saul Leiterが日本で脚光を浴びたのはつい3年ほど前ではないかという。 2017年にも日本で展示があり、その時に女性ファッション誌などに取り上げられ注目されたことが大きかったようだ。 ファッション写真のカメラマンだった氏は、加熱するクライアントの要求に耐えかね、1981年にスタジオを畳んでしまう。 ファッション写真でありながら、人物や服飾が主体というよりは、街の風景の一部としてモデルがいるといった撮り方を得意としていた。 何気ない風景だったりスナップ・ショットのようだったりするのだが、結果的に人物・服飾が際立ち、その特異な世界観・作風が強い訴求力を醸し出す。
   ギャラリー関係者曰く「氏が活躍した1958年頃にあの写真って、かなり『尖って』たと思いますよ。」と。 また「1950年代以降に様々なカメラマン、様々な撮り方がありましたが、今の時代にあっても、Saul Leiterの手法は新鮮なものに映るんですね。」と。 そして「bunkamuraに観に来た人が、その足で銀座線で銀座まで来て観にくるとか、そういった方も多くいらっしゃいますよ。中には京都の展示と3ヵ所とも観たという方もいらっしゃいました。」と。 「これまでも有名な写真家の写真を展示してきてるはずなんですけどね...、今回これまでの倍くらいの方が来られてて、Saul Leiterの場合は、それほど名前が表に出てくるという写真家ではなかったですし、これはちょっと意外というか...。」と。
   Saul Leiterの写真を観ていると、人が行き交う風景、人の生活を感じる風景、そうした中に偶発的に起こる様々な光景、瞬間、瞬間を、自分のなかで小さなストーリーとともに映画のように反芻し、それぞれの場面に向かって対話を愉しんでいるように見えた。 対話しているとしても、それは、目に映った風景に「あっ」と反応してからシャッターを切るまでの、ほぼ瞬間の出来事だろう。

   日常の光景 - というあたりでは、いつかStephen Shoreやってくれないかなぁ。